"人間と性"懇談室1月例会 感想と報告
『 日本で最初のセクソロジスト山本宣冶 』 2011年1月27日
感 想
高柳先生から、性教育のパイオニア山本宣冶の功績について簡単な紹介がある。山宣の生地、京都宇治にお墓を建立した経緯、山宣から意志を引き継いだ山本直英氏の「人間と性教育研究所」の設立までのいきさつ、そして高柳所長が直英氏亡き後引き継がれた話を、エピソードと共に話された。そこには常に山宣の背中を見詰め通した直英氏の姿が・・・。
話題提供者のレジメと話しあいのまとめ
<日本で最初のセクソロジスト山本宣冶> 話題提供 高柳美知子
山宣の年譜説明
1889年5月28日誕生から1929年3月5日に暗殺されるまでの40年の生涯を説明される。(年譜の詳細は割愛)
山宣についてのイメージについて
・性教育裁判で土屋都議が山宣を引用した。過激な性教育、科学・人権スローガンに騙されると。
・山宣はすごい。小林多喜二は殺されたが、どうして自分の生き方を貫いたか。天皇の家来だったころ、突飛な人間たちが現れた。宗教と人間の生き方にも関係あるのでは?
・立派な方だった。日本の状況が危なかった時代、本当の事は分からない。国民が圧迫していても戦って生き残るべきという、天皇中心の一種避けざる生き方が強いられていた。弾圧も必要悪だったかも?
それぞれの意見
・明治維新後、日本にも民主的な動きがいっぱいあった。民衆の外的対応や日露戦争否定論がそう。民主的な動きを封殺するなど、民衆の声を聞いていなかった。
・政治的なところではなく、現代の日本でも通用する偏見ある世の中で、山宣を前に出して闘っていくのは大事である。
・歴史の話はしたくない。寝てる子を起こしてまでやれと言うが、子どもは寝ていない。前提が違っている性教育。性情報が氾濫していて、子ども達は簡単にネットで何でも見れるようになっている。
・正しい情報が流れず、暴力的描写の多いなかで、情報の何を伝えるべきか?
・アダルト雑誌にはSMサイトの情報が常識になっていて、エスカレートしていっている。
・厳しい取締りがある一方、NETは無制限に情報が氾濫している。
・“性は人権です”性的マイノリティな人を邪魔な人間だと扱っている。戦時中は国策に反するということで表にはほとんど出ない。
・小中学校50代の校長たちのほとんどが、時代錯誤の純潔教育を求めている。
・高橋鐵レポートも読んだ。処女論、性人権問題が個人の問題にすれ違っている。
性がゲーム化されている。昔は明治憲法に縛られていた。あの時代と似てる気がする。
・隣組の存在、つまり横のつながりが大事である。小さな寺小屋を作って下から対応するのがいい。
・NPOの力がなさ過ぎる。アムネスティくらいになると力を持っていると思うが。
東南アジアは政府の言うことを聞かない。ある政府がモスクと連携し性教育をし始めたら、産児制限が90% まで普及した。コンドームを初めて見たとき、風船のようにして遊んでいたという。日本が特殊。日本の異常さを知ったほうがいいのでは?
・情報の格差にびっくり。今時純潔教育なんて。貧困がセックスの問題と絡んでいるとは!
ゲーム感覚になっていっていて、どう対応していったらいいか?
・イデオロギーで喧嘩したくない。孫を持てる子育てをする。今の若い人たちの倫理観がよく分からない。教科書問題を長年取り組んでいるが、もっと地域社会に目を向け、そのエネルギーを突破口にしていければ。