"人間と性"懇談室6月例会 感想と報告
2012年6月29日
『人はだれもが恋して良いのよね〜障害児者の性と生』 報告者:岩淵成子
★ 例会概要と感想
岩淵さんのレジメに沿っての説明のあと、Tさんが知的障害の息子さんを通して〔生と性〕を真摯に語っていただいた事が印象に残りました。
それは性の欲求は【情緒】がないと起きないという、今まで強いては気付かなかった 性=情緒(神経細胞シナプスの働き) でした。
広辞苑では情緒=折にふれて起こる様々な情思、感情または、そのような感情を誘い起こす気分、雰囲気と記述されている。
Tさんは息子さんが誰かれ構わず女性に抱きついてしまわないか・・・と心配した事や(実際はなかった)、息子さんの世話を毅然とした態度できちんとこなしておられる奥さんに対しては、頭があがらないと労りの言葉も胸にしみました。
体は成熟しても性的情緒の神経伝達細胞の働きが発達しなければ、性的欲求は起きないと改めて納得。 Tさんの臆する事なく淡々とした姿勢で語られる息子さんの『生と性』は、『性に情緒』という結びつきを自分の性にも見つめ直す とても良いきっかけを創ってくれた気がします。 (桂木詩織)
★ 例会レジメ
人はだれもが恋して良いのよね〜障害児・者の性と生
1 障害とは
3つのレベル 機能不全 不全による制約 社会的障壁
2 障害の種別と程度
身体障害 感覚障害 内部障害 知的障害 精神障害 発達障害
重度 中度 軽度
3 認識の発達の障害
認識 社会性 記憶 判断 数量 言語。
認識の発達が、歴年齢よりも遅れている。 偏りがある。
発達の節 1,5歳 4歳 6歳 9歳
4 感覚、感情の発達の障害
認識の発達の障害ほどには障害を受けていない。豊かな場合もある。
5 知的障害のある子の性の発達
通常の子どもとほとんど変らない。 初潮年齢 精通
6 障害の重さによる生活の環境
重度・中度の場合 入所施設 作業所 グループホーム
軽度の場合 一般就労 作業所 アパートなどでの暮らし グループホーム
7 障害の重さによる性の環境
重度・中度の場合 本人の意思表明はなかなか難しい。相手を思いやることが困難。
相手を思いやることが可ならば、ともに生活も可。
軽度の場合 社会生活をおくることが可。援助を受けての結婚生活もある。
8 性教育は
重度の場合 感覚器への働きかけが中心。快・不快。心地よさ。
中度の場合 教科として成立させることは可。教材の工夫で理解可。
軽度の場合 教科として成立。 ロールプレイ。性の学習。