"人間と性"懇談室9月例会 感想と報告
2011年9月28日
『死を前にした性の意識』 報告者:後藤重三郎
★ 例会概要
月刊誌「本とも」2011年7月号に掲載された、東京夜想曲・第3話女の性(石井光太)を題材に、「死を前にした性の意識」について話し合われた。報告者からご自身の性の遍歴のような話と、職業を転々とした話とで座が和んだ。今日のテーマに関連する例を挙げれば、75歳くらいの頃、肺癌だと告知され大変なショックを受けたとき、自分でも驚くような体験をした。まるで思春期のような高揚を味わったのだ。死を覚悟したからなのか、自分でもおかしいくらい、若い女性にときめき、無性に楽しかったことを思い出す。
★ プリントされた東京夜想曲を読んだ感想の発言より。
★ 例会感想
死を前にした性とはいかなるものなのか? 議論の中で見えてきたように、死を覚悟した体験を持つか持たないかで、その意識は違ってくる。
体験がないから理解できないというのも本当の気持ちだし、身に迫る死を意識した人と比較はできないけれど、殆どの人が「死を意識した性」を語るのは難しいのでは。
提起されたこと、提起したかったことと議論とかみ合わず、どうしてなのかと考えたとき、やはり体験するとしないとでは、感じ方が違うのではないかと思った。
極限の世界に身をおいた戦争のなかでの性、従軍慰安婦問題、自衛隊のような閉鎖された組織のなかでの性の意識、これらの問題にまで話が深まり意義のある例会だった。