"人間と性"懇談室9月例会 感想と報告
2012年9月26日
「『痴漢』、『盗撮』する男は性の被害者?!」
報告者:岩淵成子
★ 例会概要と感想
このテーマは @早大生の酒を飲ませての集団女性レイプ事件 A73歳の大臣自殺原因が愛人とのSEXスキャンダルの報道 B東国原元知事の「知事室セクハラ」報告その他の事件などから、「痴漢」、「盗撮」する男は性の加害者とされているが、本当は被害者ではないか?という思いから話題提供されたとのことでした。
自分の未熟さによることと思いますが、今回の例会では話題提供された『「痴漢」、「盗撮」する男は性の被害者?!』に始めから終わりまで納得できず、未消化のままで終わった様に思います。こんなことは今までになく、「何故か?」と自問してみました。
性の衝動が正常に消化されている時は「痴漢」、「盗撮」をする人はいないと思う。ただ、性の嗜好としてやってみたいと思う人も中にはいるかもしれません。
「痴漢」、「盗撮」をしたいと思う人の多くは、性の衝動を上手く消化又は昇華出来ていない人ではないかと思います。
ただその場合でも、「痴漢」、「盗撮」の被害者の人権を無視して強要することは許されませんし、加害者は社会的に制裁を受けなければなりません。勿論、加害者の社会的地位や学歴によって許されるべきものでもありません。
社会人として守るべき基本的な事柄を無視して、加害者を被害者とすることに納得できなかったのではと思いました。
★ 報告者からの補足
現職時代の体験から「人間を変えるのは教育しかない」との信念を持っている。「罰」では人間を変えられない。
例として2つのエピソードを上げたい。
1 撫順戦犯管理所における捕虜の扱い。
強制労働をさせるのではなく、教育をした結果、自らの行動がいかようなものだったかを知り、帰国後「中帰連」(中国帰還者連絡会ー現在は「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」と改称)を立ち上げ、戦争の真実を伝えている。
2 ドラマ『塀の中の中学校』
ドラマではあるが、実際にあったことを基にしている。
さまざまな犯罪を犯した囚人たちが、刑務所の中にある「中学校」の生徒となり、1年間の猛勉強をする。その結果、彼らの再犯率は劇的に低くなった。
加害者を「被害者」とすることによって擁護する気持ちは微塵も無いが、適切な教育を与えられていないことが、根源の問題ではないかという考えのもとに、アンチテーゼ的に提起したものである。
道を踏み外すか、止まるかは「一人の人間の存在」にかかっているとも聞いた。
信頼できるおとなが一人でもいれば、道を踏み外さずに行かれるが、問題少年(少女)の場合、その一人さえも居なかった例が多いとの回答を得たこともある。
話し合いの場でも発言したが、適切な教育を受けさせずに、結果責任だけを負わせるのは、社会のあり方としては間違いではないかと思う。
特に「性」に関しては「そのうち自然に分かる」とか「おとなになれば分かる」などと逃げていて、正面から向き合うおとなは、今の日本でも多くない現状がある。
方や、ポルノ情報は巷にあふれているから、それから学ぶ子どもがほとんどとなる。まともな教育をしないで、結果責任だけを問うのは「教育」に関わってきた人間としては、到底是とはし難い。
★ 例会メモ(突然の依頼のため、レジメを作成する時間が無かったのでメモとなった)
「『痴漢』、『盗撮』する男は性の被害者?!」 岩淵成子
1 話題提供を考えた具体例
早稲田スーフリ事件
塾帰りの男子小学生の会話
成田離婚に見られる「顔射」事件
大臣自殺の原因は「愛人とのSEXスキャンダル」報道
東国原の「知事室セクハラ」報道
2 男は「痴漢」「盗撮」をする宿命を持っているのか「質問箱」への質問結果
3 機器の発達が、盗撮へのハードルを低くした?!
4 売春禁止法以前の男と、以後の男との感覚の違い
5 外国の売春事情
6 各国の性教育事情
★ 例会記録
まず、具体例として、早稲田スーフリ事件・塾帰りの男子小学生の会話・成田離婚に見られる「顔射」事件・大臣自殺の原因は「愛人とのSEXスキャンダル報道・東国原の「知事室セクハラ」報道などかって週刊誌をにぎわした話題などを取り上げました。
そして、男は「痴漢」「盗撮」する宿命を持っているのか「質問箱」(インターネット)の回答例・機器の発達が盗撮へのハードルを低くした?!・売春禁止法(S34年)以前の男と、以後の男の感覚の違い・外国の売春事情・各国の性教育事情と具体例を交えて問題提起がありました。
話し合い・意見 参加者10人
−以上― 意見百出の感じでしたが、話題提供者の「性の被害者か?」という点では、性教育の貧困は認めていても必ずしも同意は得られなかったようです。 青木清 記