"人間と性"懇談室6月例会 感想と報告
2020年6月10日
『 混浴風呂の魅力 』
話題提供:黒澤利時
●レジメ報告後の話し合い
・ 日本文化の特徴はおおらかさ。儒教の伝統のある国での混浴に外人は驚いた。
● レジメ
『 混浴風呂の魅力 』
黒澤利時
混浴の魅力は難しい話ではなく男女が同じ風呂に入ることです。それだけでかなり刺激的です。歴史的には自然の野湯があり、ここに一緒に入っていたのです。それが江戸時代
湯屋が発達し、湯女(ゆな)が背中を流し垢すりをしていましたが、売春にもなるために幕府が再三にわたり禁止令を出します。1Fに風呂があり、2Fに寛ぎ場がありました。博打や売春があるのは2fでした。背中を流すのが男になり、三助と呼ばれます。
江戸末期になると外国人が来日します。一様に混浴には驚いたようです。道徳心の高いので有名な日本人がなぜ?というわけです。ここが日本文化としての世界に誇れるものが隠されていると私は勝手に想像しています。
今日では混浴のできる温泉は少なくなりました。区切られた家族風呂だけになったところもあります。
私のよく行く姥湯温泉桝形屋は、素晴らしい景観の露天風呂です。
婦人風呂と混浴風呂を時間で分けていますが、若い団体客は混浴でも入ります。男のエチケットはジロジロ見ないとか、近づかないとかです。婦人脱衣場があります。ただ風呂から上がるときの後姿は丸見えです。20代と思われる女性たちがプールから上がるように5,6人が一斉に出ていく姿は壮観でした。広い内風呂もあります。ここは混浴であったか忘れました。
宝川温泉の汪泉閣は風呂の広さは日本で1とか2とか。下着を着ることを禁じられています。大きなタオルを巻いて脱衣場から出てきますが、湯船に入ると外します。大きな岩が浴槽にいくつも置いてあります。
汪泉閣は外人がよく来ます。若い外人女性からタオルも巻かず「色即是空」と大書された看板の意味を聞かれ困りました。本当に自然な姿で話ができました。勿論日本語です。
夜になると電球の明かりに照らされた裸体は昼とは全く違う感じになります。全盲の女性を支えるように夫でしょうか?入ってくる姿に涙が出ました。
私たちのグループは男2人女8人。女性たちは混浴に絶対に嫌だとて婦人風呂専門です。若い連中とは違うのです。若い連中は自家用車を連ねて或いはトラックで10人以上が団体で来ています。男女全てタオルを巻いていました。本当に楽しそうでした。
この4月からは男性もタオルを巻くことが義務付けられるそうです。
宝川温泉と姥湯温泉は実にお湯の量が多く、完全な源泉かけ流しですから安心です。二つの大きな違いは宝川温泉が俗化し過ぎて外人客が多いのに比して姥湯温泉は本当の秘湯です。山形県の山の中です。
日本人として長い間守られて来た混浴の伝統を壊してはならないと思います。私は命の洗濯場所として混浴愛好家でいたいと思います。長生きの秘訣です。