"人間と性"懇談室4月例会 感想と報告

                                                    2016年4月25日

    「百合祭」−老いのセクシアリティの可能性を考える―  

                   話題提供:青木 清

 

 『百合祭』の解説

 北海道出身の桃谷方子の同名作品が原作で、以前に出版された。

 出版当時は少し評判になった。高齢者の性を扱った本として有名になった。

 浜野佐知監督による映画は、愛知国際映画祭、京都女性映画祭などに出展され、受賞している。

 

 『百合祭』のDVDを鑑賞後の話し合い

 

(話し合いの時間が短く、参加者も少なかったため、映画の内容に関しては、深まりに欠けた話し合いになった)

 

● 映画の概要

 73歳の宮野さん(吉行和子)をはじめ、中原早苗、原知佐子、白川和子などが演じる7人の老嬢の住むアパートに、75歳でダンディな三好さん(ミッキーカーチス)が越してきた。お婆さんとしてではなく、レディとして扱われることで、住人の老嬢達はすっかり彼の虜となる。宮野さんは、彼とのセクシュアルな接触で、若い頃のセックスとは違うが、体を重ねた時の柔らかな感触に陶然となった。

 二人だけの関係と思い込んでいたが、そのうち彼の過去と実像が見えてくる。死別で独身ではなく、不倫がバレて妻に別居を迫られての引越しだったとか、自分だけとの思い込みははずれ、複数の住人と性的関係を持っていたとか。

 住人達は驚き怒るが、いつまでも「騙された」などと恨み言は言わず、果敢に「生き直し」を開始する。