"人間と性"懇談室5月例会 感想と報告
2015年5月27日
「恋する人生相談 ぱーと2」(フリートーク)
話題提供:桂木 詩織
★ 事例に基づく意見交換・話し合い
○「独居の70代母 男性と外泊」の相談を寄せたR子さんの事例
40代主婦R子の相談。70代の一人暮らしの母が、近所の老人と旅行に出かけたことを知り、ショックを受けた。母は「友達」というが、毎日電話があったりするので、いわゆる友達とは違う気がする。母と大喧嘩になり、「親子の縁を切る」とまで言ったのでとても驚いた。その時は母に謝ったが、今後どう接すればいいのか。
お母さんにとって、今付き合っている彼はかけがえのない方だと思う。お母さんの人生はお母さんのもの。年取っても自分の人生の主人公として生きていいとは思わないか。伴侶を亡くし、子どもは別所帯になっていれば寂しいと思う。そんなお母さんに毎日電話をくれる男性ができたのだから、私なら「お母さんステキだから。今度、彼を紹介してね」くらいのことを言ってもらえたら嬉しいと思う。
● R子の相談に関わっての意見交換
- R子が理解不能。子どもなら分かるが、40すぎの主婦では変だ。どんな暮らしをしているのか。母のイメージが崩れるというのか。親に貞淑を求めるのか。
- 回答者が正解。R子は成長していない。母が自分以上に幸せであることに、嫉妬しているのでは。
- 娘の相談したい気持ちはわかるが、娘が古い。母を理解できていない。
- 娘が親離れしていない。
- 娘が経済的援助はしていないと思う。経済的にも自立していると思う。
- 父親の交際を子は何も言わない。家父長制と宗教的理由から、娘が再婚を止める例は多かった。夫が死んでも夫婦関係は残っている。
- 個人主義の学習が娘にされていない。ヨーロッパでは起こりえない問題。
- 恋愛の裏にある財産、扶養、お墓などの問題。孫の進学・就職にも関わる。誰と何をしているかまで調べる大企業の現状。
- 結婚後は姻族関係が出てくる。階級制も絡まってくる。東大卒の大蔵官僚の仲間は、家族並みになる。両者の恋愛関係とは全く違った問題が出てくる。
- 結婚の縛りは、明治以降。江戸時代までは、性に対しておおらかさがあったはず。男と女の問題は、明治以降より進んでいたと思う。大正以降窮屈になってくる。
- 恋愛・セックスについての意見交換
- 恋愛するとドキドキする。気持ちが高ぶる。それによって元気になる。恋愛は良いことで、条件は必要ないはず。
- 人をすきになることに財産や係累は関係ない。太古の日本ではセックスもオープンだった。
- 性交することは、触れ合っていることだけの喜びではない。
- 昭和11年に起きた「阿部貞事件」では、日常的ではない状況のなかで起きたのだとして、10年の求刑が6年の判決となった。
- 阿部貞に計算・打算はなかった。昭和11年という右傾化している厳しい暗い時代に、徹底してセックスしたということだけ。判事がそれに感動して緩い刑にした。待合に1週間居るということは、セックスしかすることがない場に居たことになる。そこで首を絞めて死なせた。
- 大島監督が「愛のコリーダ」として映画化した。彼の傑作だと思う。「本番」をとっている。助監督にはポルノ専門の人を当てた。セックスに本気で取り組んだことの証明。
- 代々木で開催された「東京レインボープライド2015」に参加してみた。LGBTのパレードに5万5千人の参加者がいた。ステージの催し物もよかった。人口の5〜10%くらい居るという。深く考えると私もBの気があるように思う。作られた物差しで良否を決めていた。男女のあり方は変化してきている。
- レズビアンの結婚式がテレビで放映されたが、片方の両親は参列せず、他方の両親には画面にぼかしが入っていた。世間に対する気持ちだとは思うが、意識が私には分からない。
- ユトリロの母は、16でユトリロを生んだ。しょっ中恋人が変わる母だったが、人間関係は破綻していない。男女、親子の人間関係をどうするかが問題。人間は、規定で判断してはいけない。自分自身のものさしが必要。
- 子産み後の性をどうするか。元気になったり、興奮したり、死に至る場合もある。
- 自分のアイデンティティを確立したら、真の男女になると思う。
○「性交渉ない原因 夫の風俗遊び」の相談寄せたA子さんの事例
50代の女性。セックスレスの原因は夫の風俗遊びだと判明。何も知らずに結婚生活を送ってきた自分が許せない。性交渉無くなったのは40歳。夫が糖尿病になったのが理由。2年前に偶然風俗店通いを知った。夫は悪いことをしたつもりはないという。誠実で優しい夫と信じていたが、嘘と裏切りにあい、離婚すべきか悩んでいる。最近はうつ状態。
● 回答概要―出久根 達郎(作家)
薬局経営とのことだから、病気については詳しいはず。夫の糖尿病を確認したのか。嘘をついたというが、嘘か本当かは夫婦なら判断できるはず。お互いがセックスについて、正直に話し合わなかったのではないかと疑う。話し合いを避けていたのでは。今からでも遅くないから、本音で性生活の大事さを話し合いなさい。裏切りだの離婚だのという言葉を口にしてはいけない。夫婦間にタブーを設けてはいけないし、とことん話し合って事を進めるべき。
- A子の相談に関わっての意見交換
- 相談者の内容の半分は本当だと思う。単身赴任中の電話等は誠実さを示している。
- セックスについては、話せないのが普通ではないか。回答者は、人生の深さを知らないと思う。
- 糖尿病の男でも風俗には行くと思う。しかしセックスはできないと思う。
- セックスレスの原因が風俗との決めつけや、裏切りだとの決めつけは短絡的。
- セックスがあれば問題ないこと。風俗のテクニックを家庭の女が学べばいい。夜が楽しくなると思う。
- トルコ風呂の技術が凄いと思った。台湾の風俗は日本並みになったこともある。
- 妻に内緒で、人妻専門のソープに行く夫もある。
- 風俗の技術を学んでも、妻は妻で、よその女とは違うと思う。
- 夫婦のあり方がまともならば、問題は起きない。
- 他人のセックスを覗き見したい心理が、相談になって現れたのではないか。