"人間と性"懇談室7月例会 感想と報告
2014年7月23日
「 性的暴言(セクハラ野次)を考える」−都議会の「野次問題」に関してー 」
話題提供:参加者全員
★ 参加者発言概要
セクハラとは何かについて調べた。1989年に福島県の女性が勝訴したのが初めのようだ。その後、ジェンダーの立場から、理論的に取り上げてきた。日本人としては、未知の分野であるのが現状。
ジェンダーは分かりにくい面がある。独立していくことが、女の人権を高める良いことで、結婚は女が養われるから選択肢にはないと言われていた。家庭の人権、社会の人権が違う面を持っている。問題がうやむやに終わった感がある。
セクハラは、擬似恋愛型として、最初は合意であった女性が、関係性が壊れた後でセクハラだったとする例もあるように、主観的な言葉でもある。そのため、裁判では、客観的事実が必要。
客観性の視点で、女性側からの問題は「対価型」と「環境型」に整理されている。しかし、男性の視点では整理されていない。彼女居ないとからかう。胸元が開いた衣服。さわりすぎなど、セクハラと感じるものは多々あるが、主観的なものばかりで、客観性が無い。
都議会の野次については、野次の内容がセクハラだと思っていない都議が問題。セクハラと思っていないから、問題があることが分からずに言っている。
女性議員が圧倒的に少ない都議会の場でのセクハラ。野次を飛ばした議員はなぜいけないのか分かっていない。事実を明らかにすることが大事。
鈴木都議は確信犯。議会の馴れ合いの中での発言。意識が低すぎる。議員のあくどさと、女を貶める気があった。
「子どもが生めないのか」がセクハラに当たるという自覚が無い。少子化問題の議論の場で言うべきではない。
圧倒的に男性優位の議会で、「都議なら言い返せば良い」とか、本人を貶めることで幕引きにしたがっている。
地方議会なら、あるかもしれないと思えないことも無いが、都議会なのにレベルが低すぎる。
日本の男の本音が出ている。男女差が歴然としている日本の遅れを明らかにしてしまった。
人権意識の欠如を感じる。結婚するしないは人格の問題。人からとやかく言われるすじあいの問題ではない。
人権が意識されていないから発言が出てしまう。単純にセクハラにしてしまうのは誤りだと思う。
外国メディアは、人権の遅れとして取り上げているのではないか。人としての権利、人格の尊重が無くては、小さな問題として捉えられてしまう。
都議会の野次は、社内での女を馬鹿にした発言に比べれば、たいした発言ではないと思う。
発言者がすぐに謝らなかったのはいやだと思う。
野次を見過ごして、都議を送り出してきた都民も問題。
セクハラの問題は、30年くらいしか経っていない。
国民が民主主義を自分たちの手で勝ち取っていない。そのため、全てがあいまいで、人間にとって大事な性の問題もおざなりにしてきた。
1998年、『性と生の教育』で「スクールセクハラ」を特集した。そのなかでは「環境型」との混合も取り上げられている。かなり先進的な問題提起だった。
経済的自立が精神的自立に繋がっていない。精神的自立は容易ではない。結婚では精神的自立はできない。
戦後70年でも男女の自立はまだまだの現状。
女であることを利用して議員になった人。きれいを利用して議員になった女性も居る。
マドンナ候補は、女性の足を引っ張っている。市川房江さんのように女性の権利を真剣に考えていた議員も居るが。
彼女らは女としてのジレンマを抱えている。今回も彼女が少子化問題をやらされているのかも。
女が人間として扱われる社会の実現には100年もかかりそう。
人間としてのルールが確立されていれば、セクハラ問題は起きない。
相手の立場を尊重すること。セクハラについての学習をすることは必要。
客観性の問題、意識の問題で、セクハラが起きる。相手の立場に立つことは重要。
子どもの居ない結婚している女は、身ごもっている女に対して腹立つこともある。相手の立場に立つことは難しい。
★フリートーク開始のための提言
人間と性懇談室・2014年7月例会
フリートーク「性的暴言を考える」 −都議会の「野次問題」に関してー
東京都議会での「みんなの党」女性問題質問に対して「早く結婚すればいい」などの「性的暴言(セクハラ野次)」があり、外国メディアにまで取り上げられました。
都議会では、名乗り出た議員以外の野次についてはうやむやのまま幕引きを図りました。
この問題をはじめ、セクハラ・性蔑視・性差別について懇談室参加者のフリートークで考えてみたいと思います。
みんなの党TOKYOの塩村文夏が女性の妊娠・出産についての東京都の支援体制について質問を行っていた最中、男性の声で「自分が早く結婚したらいいじゃないか」、「産めないのか」といったやじが飛び、議場ではこれに同調する声や笑いが起きた。
塩村はやじの際、声が上がった方向を一瞥し、苦笑した後に質問を再開したが、次第に感情をたかぶらせ[10]、質問を終え着席した後にはハンカチで涙を拭う様子を見せた。報道陣に対し塩村は「女性の気持ちを代弁していただけに腹が立つし、悲しい」と述べている。またみんなの党TOKYO幹事長の両角穣は「6年後に五輪が開かれる都市の議会でこういう発言が出るのは恥ずかしい」と述べた。
この問題は日本国外でも取り上げられ、22日までにガーディアン、ウォール・ストリート・ジャーナル、ロイター通信、CNNといったメディアが批判的な論調で報じた。
一方19日には各会派の女性議員25人全員が「議会の品位をおとしめるヤジは無いよう注意して欲しい」との申し入れを議長の吉野利明に行い、20日には塩村当人が発言者の特定と処分を求める要求書を議長の吉村に提出したが、議会は「被処分者の氏名が把握されていない」としてこれを受理しなかった。これを受けてみんなの党TOKYOは声紋分析によって発言者を特定するという意向を示した。
謝罪を受けた塩村は「一つ区切りがついた。なかったことになるのが怖かったので、認めてもらってよかった」と安堵の表情を見せたが、「これで幕引き もあり得るが」と問われると、「そういう方向とは思っていないので、そうなったら残念。全体を変えることが必要だから」と述べた。
セクシャルハラスメントとは
職場・学校などで(法的な取決めがあるのは職場のみ)、「相手の意思に反して不快や不安な状態に追いこむ性的なことばや行為」 を指す。例えば、「職場に限らず一定の集団内で、性的価値観により、快不快の評価が分かれ得るような言動を行ったり、そのような環境を作り出すことを広く 指して用いる」といった性別を問わない用例である。そしてこのような用例を踏まえて、異性にとって性的に不快な環境を作り出すような言動(職場に水着写真 を貼るなど)をすることや、自分の行為や自分自身に対して、相手が「不快」であると考えているのも関わらず、法令による場合や契約の履行以外での接触を要求すること、同性同士で同様の言動をすることも含まれる。この場合、行為者が自己の行為をセクシャルハラスメントに当たるものと意識していないことも多々あり、「認識の相違」と「個人の主観」に由来する人間関係の悪化が長期化、深刻化する例もままみられる。
対価型セクハラ
職場や学校などにおける立場・同調圧力・階級の上下関係と自身の権限を利用し、下位にある者に対する性的な言動や行為を行う(強要する)こと。酒席での酌の強要。
環境型セクハラ
性的な嫌がらせ。
「男性から男性」「女性から男性」へのセクハラは、いまの日本では殆ど問題にされておらず、被害者男性が「男らしくない」「男のくせにそれぐらいで」などと二次被害に遭う事例も多い。