"人間と性"懇談室10月例会 感想と報告
2013年10月28日.
「江戸の文化・風俗」
話題提供 参加者全員
★ 例会概要
初めに田端さんから、資料「江戸時代の庶民生活」に基づく報告があった。
東京ドームの約2倍の面積があった吉原には、遊女3千人と関係者で8千人もの人々が働いていた。
花魁は3回通わないと床入りはしなかった。必ず宴会が付いているので、床入りまでには今の金額で2百〜5百万円ほどかかった。4時間ほどの「初見せ」でさえ10万円程度はしたらしい。そのため、庶民にはとても手が出なかった。庶民は「夜鷹」「船饅頭」「比丘尼」「湯女」など多様な風俗を利用していた。
相手をする女性には、茶店の給仕、料理屋の仲居なども居た。彼女らは強制されることは無く、自分の気分で1万〜1万5千円ほどで夜の相手をした。
密通の場所には「出会茶屋」や「船宿」が使われ、4〜5万と現代の「ラブホ」より高かった。足元を見ての料金だった可能性はある。
中絶には「中条流」」と名乗る医者が多く居て、6千〜8千円、あるいは3万2千円と大きな差があった。
その他、生活関連、娯楽関連の支出、庶民の収入などにも触れる資料の説明があった。
桂木さんからは、浮世絵のジャンルなどが報告された。
フリートークでは、江戸の遊び文化が経済を動かしたこと。再利用で無駄の無い庶民の生活様式など、庶民のパワーで文化が栄えた。
今の日本人は働くばかりで文化が無くなった。
日本は戦後60〜70年で急速に変化し、未婚の50代の増加や夫婦の格差の広がりが見られる。など、価値観、文化論の話が展開された。(文責 岩淵)