"人間と性"懇談室「くらしの中のジェンダー」勉強会 感想と報告
2020年10月22日
『くらしの中のジェンダー 第2回』
テキスト 「日刊赤旗」連載「くらしの中のジェンダー1〜20 のうち 6〜10
E 女性像変えたアリーテ姫
F 性別を固定化しない動き進む
G 「父親ならでは」ってなに?
H 好きな色自由に選べる社会を
I フェミニズム研究を守る
● テキスト読後の話し合い概要
E 女性像変えたアリーテ姫
- 「シンデレラ」や「眠れる森の美女」などの童話に書かれている、魅力ある女性に素晴らしい男性が現れるという考え方が作られていて「シンデレラコンプレックス」と言われる。
- 日本と西洋の違い。シンデレラは、貴族階級の中での男女のあり方。
- 西洋では、貴族内でジェンダーが現れている。
- 日本では、農民階級は男女平等。貴族内では、女性には名前が無かった。○○の娘とか、○○の母になっている。
- ●「セックスの歴史学」紹介(概要)
「セックスの発明」の項では、17世紀には女性が妊娠するには快感が不可欠であると考えられていた。18世紀 以前では「ワンセックス・モデル」の世界観があり、女性は「不完全な男」「出来損ないの男」と思われていた。ラ カーはこれらの歴史研究から「ジェンダーだけでなくセックスも人為的なもの」と結論付けた。身体を「男」や
「女」に作り上げていくのは、社会的な営み、社会的な決まりである。「男」と「女」しかないという性別について の言語のあり方に問題がある。人間が性自認を学ぶのは言語によるものであり、2〜3歳頃までに作られる。子ども のうちならば変えられるが、おとなになってからでは変えられない。
F 性別を固定しない動き進む
H 好きな色自由に選べる社会を を読んで
- おもちゃのジェンダーフリー化の動きが進んでいる。
- 東京土建が毎秋開催している、道具の使い方を伝えるイベントに、女の子が多数参加している。即、女の職人さんが育つとはいかないが、大工、左官など力の要る仕事にも女性が出て来た。作業の合理化により、必ずしも力を必要とせず、女性でも可能になった。ボイラー資格は、以前は女性がだめだったが、今はOKになった。
- 男女は同質ではないが、以前は女性だけだった産休が今は男女に広がり、子どもがあっても働ける環境が整ってきている。
- 息子は中学時代、男はズボン、女はスカートの決まりや制服の色の決まりに不満を持っていた。高校は自由だったので、いろんな色を着ていた。父親になっても派手な色のまま。
- 制服を良しとせず、自分に合った色を着るのは大事だし、良いと思う。
- 制服は軍隊から、校舎は兵舎から来ている。制服は管理側には重宝だが。
- 女子には、憧れの制服を着たいという想いもあるが、自由に制服以外を着ることも大事。
- 色彩感覚は、小さいときからの教育が大事だと思う。
- 1976年頃の成人式では、女性は全員振袖ではなかった。就活でも、グレーや紺のスーツもあった。今は黒一色になっている。おかしいと思う。
- ユニクロの当初の考え方では、男女別無いファッションを目指していた。今では女性向けが多くなった。女性の方が購買力高いため。
- 戦中は、男女の階級性がはっきりしていた。男子は中学から兵隊服と戦闘帽。女子はモンペだった。
- 1980年代に専業主婦が出現し、男は表に立ち、女は家にが定着してきた。
- 男は女に、家で子どもを育てろと言ったが、今は男だけでは食べられない。
- 民主的活動家といわれる男も、家では「俺はオトコ」「俺はティシュ」となっている。60歳以上はダメだと思う。
- 「首から上の民主主義」が、戦前・戦争直後生まれの男にある。民主主義教育で育っているから、理屈の面では分かっているが、家族関係は明治憲法を引きずっているから、手足を動かす段階になると「民主主義」が機能しなくなってしまう。
- 「家を継ぐ」ことを優先している考え方は、21Cまで続いている。次の世代にどう家を残していくかが問題になっている。家族制度が問題。
- 西洋の個人主義との違いがある。日本では個人主義を悪いものと捉えている。
G 「父親ならでは」って何? を読んで
- 息子は仕事も家事もがんばっている。今は男がキツイと思う。本人は育児に差し障りのない範囲での仕事をすると言っている。
- 離婚の原因として、子の存在がある。子が生まれると、妻からあれこれと不満が出る。話し合いが必要。女が強いと、男は不承不承でも従う。公園ではパパ育児が可能となっている。
- 今の女は男に物言える女になっている。父親として、子どもをどうするかが問われている。
- 共働きが拡大し始めたのは90年代から。専業主婦が減少し、共働きが増加した。経済的不況が増加のきっかけ。
- 薬剤師の職場。生理休暇も確立し、ジェンダー教育は産婦人科医からあった。女性を守らないと良い職場にならないとの考えがあった。
- 妻は看護師。自分はイクメンのハシリだった。日常的家事、特に調理は苦手だったが、子育ては楽しんだ。自分の子だけでなく、保育園の同級生などもともに楽しんだ。
- 子育て後の夫婦関係をどうするかが問題。男と女の問題なのに、子育ての問題にすりかえられている。子ども中心後の男女関係が大事。
- 理屈は分かっていても、追い込まれないとやらない。妻が病気になるとか。
- 離婚後の子の養育については、男女ともにとの考え方がやっと今始まった。今までは、女性専用のようになっていた。明治では子を置いて出ねばならなかったが。
I フェミニズム研究を守る
● 当日のテキスト




●「セックスの歴史学」
参考レジメ 泉修二


