"人間と性"懇談室「くらしの中のジェンダー 」勉強会 感想と報告
2022年4月28日
『アイスランドから学ぶジェンンダー 』
テキスト「アイスランドが『男女格差指数』世界1位になれるの納得な6つの法律」
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テキストに基づいた話し合い
1 同一労働同一賃金が法律で義務化されている
- アイスランドは、日本と人口も違う小さな国。日本も小さければできるのか。
- 日本とヨーロッパでは人間の出来が違う。ロシアはヨーロッパではないと感じる。ヨーロッパは、人権意識が違いすぎる。うらやましいを通り越している。日本の政治は全く違う。
- 金の問題だけでなく、民主主義の原則がしっかり根付いている。全ての人の自由と平等が民主主義の原則。
- 法律による明確化。賃金の民主化が出発点で、他のジェンダー問題も解決するのではないか。
2 学校でジェンダー平等の教育が義務化されている。
- 日本の小学校社会科教科書の検定問題のとき、権利と自由が載っているが、権利には義務が、自由には責任が伴うとなっていた。日本人の意識では、これが当たり前になっている。だから、権利意識の自由な発想は生まれない。しかし、憲法には権利のみが書かれている。責任と義務はセットではない。
- 男女平等を男性が利用すると、ボイラー仕事など、女性にし難い労働を女性に押し付けるような弊害が起きている。
- ヨーロッパの人権意識としては、教育、福祉、医療は無料が当然となる。日本では、健保、生保など、多くの税並みの支払いをしている。
- ハイデガーが言っているように、日本では世論に従えば楽に生きられる。そのため、空気を読む人間になる。いじめる側の論が世論になってしまう。群集心理に引きずられてしまう。
- 日本では、子ども時代から議論をしない。話し合いがされていない。昔は理論的に話す人は嫌われたが、今も同様の状況が続いている。
- 平等にしても、義務と責任が中心になっている。自由の中身にしても、言論、宗教、職業選択くらいがでてくるだけ。
- 教育に対する親の義務の意識もまちまちだったのではないか。イギリスでは、公立学校が少なく、私立が多い。私立で自分たちに必要な教育をしてきた。商人は商人のためのとか、武家は武家のというようなプライベートな教育になっていた。
- 教育の仕方で意識は変わるから、非常に大事になる。
3 育休のシステムが世界最高レベル
- 企業内のパワハラが、育休問題とも絡んでいる。とれば昇進できないなど。
- 男性が育休とらないのは、女性だけの給料では生活できないからがある。
- 仕事をしないで給料もらうのはおかしいとの考えが、若者の中にある。
- 組合員を守るために、無給にしないのが労組のがんばりどころだと思うが、若者の教育が進んでいないため、組合員の減少がある。派遣も増えて労組の力が弱くなったため、権利も守れない状況になっている。
- 派遣は消費税を払わずにすむ。税を少なくするため労働力を減らすため、消費税導入後法律を換えて、派遣を増やしていった。
- 労働者の賃金保障運動が進行中。低賃金の底上げを図る必要。景気を良くするには賃上げのほかにない。賃金の民主化以外にない。男女賃金の同一化も進めること。日本は、男女同一賃金については、努力目標に過ぎず罰則がない。
4 ジェンダー予算を導入している
- アイスランドでは、2009年からジェンダー予算を導入し、2016年からは、国家予算での導入を公共財政法で義務化した。
5 企業の役員で最低40パーセントのクォータ制の導入
- 日本では、現在2〜3パーセントしかいない。
- 稲田議員がジェンダーに踏み込んだら、安倍から排除されてしまった。男は変わらない。
- 活動家といわれる男性でも、家庭内では保守的な人が多い。そのため夫婦喧嘩になったりする。特に60以上の男性には多い。
- 男性ばかりだと、戦争しようとする方向に進み勝ち。国の委員会には女性が入ってほしい。形からでも変える必要がある。
6 セックス業の罪は、売る側ではなく買う側
- 女性の売春行為は、犯罪ではなくなった。
- 日本の売春禁止法は、売春宿の運営を禁止しただけ。行為の禁止ではない。そのため、性を売る女性は今もいる。
- 意識を変えて、環境を変えるには、政府が先頭に立つ必要がある。
○ アイスランドと日本
・ 日本の現状を考えるともぐらたたきのようで、こっちを打てばあっちが出るとなっていて、先が見えてこない。 格差はさまざま残されている。
- 今でも結婚に関して、娘さんをくださいと言っているのだろうか。
- アイスランドが12年世界一を続けているが、何をやったかを見てくるとよく分かった。
- アイスランドはイギリスの少し北の島国。北海道と四国を合わせたくらいの国土。31万人という目黒区と同じくらいの人口。第2次大戦時も今も軍隊はない。NATOに加盟しているが、沿岸警備隊のみ。外からの進入に対応している。世界初の女性首相が誕生した。