"人間と性"懇談室「くらしの中のジェンダー 」勉強会 感想と報告
2021年11月25日
『ジェンダーってなんじゃ 第二弾 』
テキスト「ジェンダーってなんじゃ 1〜5」
1 男の色? 女の色?
2 なかったことにしたくない
3 まだ決めてない
4 男女の賃金格差
5 選択的夫婦別姓
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テキストに基づいた話し合い
1 男の色? 女の色?
・ 色彩としてのジェンダーの問題。社会的なものなど、重さの違いとしての問題もある。
- 保育園のときの息子は、海を真っ黒に描いた。先生からは、家庭に問題があるのではないかと言われたが、本人には海の色が黒く見えただけではなかったかと思う。黒く見えるような深い青の海もある。海は青との固定観念がなかった息子は、自分の感じたままの色を使ったのだと思う。固定観念での決め付けはよくないと思う。
- 弱い色弱があり、色の区別がつきにくい。若い頃には紫が好きだったが、何だと言われた。好きだから選んだと思っているが、色弱へのコンプレックスがあったかもしれない。
- 固定概念にとらわれずに選ぶことが大事。今は女性のほうが選択の幅が広い。
- 色から考える人が多いと思うが、私が小学校入学時に描いた絵は、12色も色があるのに、黒一色だった。形が優先し色は後になり、必要なときだけ使う感じだった。形と色は別で、どっちから入るかは人によって違う。脳の分布の問題ともいえる。認知能力で、分かっていてキチンとできる人と、難しい人がいると思う。
- 赤、黒のランドセルしかない時代に、娘のために灰色を選んだ友人がいた。
- 固定観念にとらわれて色を自由に選べないジェンダー問題がある。
- 男女だけでなく、年齢にも固定観念がある。一般社会の変化もあるのではないか。
- 50年以上前だが、銭湯にバスタオルを持参して笑われた。男は手ぬぐいだけでいいとの考えがあった。
- 8,9年前は、9割がパンツだったが、今はスカートが増えている感じがする。男でもスカートっぽいパンツをはいている人が目に付く。
- 女性向の雑誌作成には、女性の気持ちを知る必要があるからと、「暮らしの手帳」の花森氏は、一時期スカートをはいて暮らしていたことがある。
2 なかったことにしたくない
- セクハラへの認識に世代のズレがある。受け取る側の問題。言う側がそのつもりでなくても、受け取る側での認識でハラスメントになる。
- 社会性により、取り方が違う。子どもの遊び方の違いにも通じる。
- 昔は、20歳近い子どもから、6,7歳までが一緒に遊ぶ機会があった。年上からいろいろ教えられた。年齢の違いがあると、受け取り方の許容が広い。
- 怒ったりすることもあり、同年齢だけで動くと、ちょっと違う状況への適応が難しくなる。
- 社会性が薄くなると同時に、政治が入ってきたり、経済と結びついたりする。ジェンンダーが、国を動かす方向まで狭くしている。デザイナーが考えると、経済的には短くして回転を早くしていくのがいいとされる。ファッションはその最たるもの。経済的儲けに引っ張られる。政治家が黙っているのがおかしい。
- 権力者が作り上げたのが、ジェンダーではないか。経済だけでなく、思想問題もあり、締め付けが強くなってきている。中国の例のように。資本主義と社会主義の問題もある。
- 政治は今のことをやっているだけでなく、将来を考えている。
- 資本主義中心の方向性が間違ってきているのではないか。
- ジェンダーは、セックスだけの問題ではなく、男女が同等の責任を持つことにあるはず。
- 言われていやなことに反論しないのはなぜか。言わせておけばいいとしてしまうのはなぜか。
- 日本では反論しない。人権意識の欠如ではないか。
- 子どもの世界は、互いに認め合い助け合っている世界だから、少しのイジメは、思いやりや仲間意識で乗り越えていく。おとなはそれらが取っ払われてしまうから、ハラスメントになってしまう。
- ディベート教育、政治教育をしない日本では、ハラスメントもやむを得ないとしてしまう。
- セクハラになるならないは人間性もあると思う。女性の方が男性よりレベルが高い印象がある。女性の方が早くおとなになる。子どもを作る立場から早くおとなになると思う。
- 男性側に付く女性もいる。
- 男性は名誉欲が強いので、女性に地位を奪われたと思って、ひきづりおろすために噂話を流したりする。
- 女性はただ働きで仕事を覚えて一人前になる例も多い。
- 環境によって女性の扱われ方が違う。何とかしようとする女性はバッシングを受ける。女性の管理職が増えれば少しは良くなるのではないかと思う。
3 まだ決めてない
- 男女の違いに対する興味は、小学生くらいからある。概念としてははっきりしていないかもしれないが。
- 男女をまだ決めてないとする幼児の考え方は新鮮で、子どもたちの未来が守られているという感じがする。
4 男女の賃金格差
- 同じ介護職でも男女の賃金に格差がある。男は家族を食わす必要があり、一生仕事をするから男女差があって当然。独身でも差があるが、経営者は格差を当然と思っている。
- かつては「寿退社」が良いことだと思われていた。介護職は専門職だから、男女格差はない仕事のはずだが、実際には格差があった。同じ資格でも格差がある。
- 薬剤師には賃金面での男女格差はない。
- サラリーマンでは、一般職、総合職による格差がある。女性は総合職になかなかなれない。将来的には男女で大きな差が出る。
- 日本全体の大きな問題として格差問題がある。男女平等に働ける社会が必要。格差解消には何が必要か。
- 昔は労組が強くて交渉が可能だった。今は働く人が弱い。労組を知らない若い人も増加している。職種が増えたため、職による力が減退した。
- 欧米は、同一労働、同一賃金がはっきりしている。
- 欧米は、賃金の底上げをしている。日本はそれがない。
- 女性の方が賃金高い国はない。必ず女性が低い。
- 資本主義の誕生以来、女子どもの賃金格差は存在した。
- 全ての格差をなくすことが、男女格差をなくすことに繋がっている。
5 選択的夫婦別姓
- 女が男の姓になるのが当たり前の時代に、どちらの姓にするかで論議した。
- 家族制度を守りたいとするのが自民の言い訳だが、選択性だから、家制度の崩壊にはならない。同姓でも家族崩壊の例は多い。参院選では大きな争点になる予想。最高裁の国民審査でも、別姓反対の判事には不信任が多かったなど、変化が見られる。
- 別姓可となれば、さかのぼっての許可は可能になるはず。