徒 然 日 記
7 岡崎智久 特別な人間その2 |
2012.9.13 |
架空の物語にも特別な人間はいる。 ドラえもんののび太について書かれた著書は多いが、皆さん知っているだろうか? 映画でのび太は射撃が得意であるのはよくご覧になってる方はご存知だろう。 のび太が近眼なのか乱視なのか遠視なのか知らないが、眼鏡をしてるし、外すと著しく視力が低下しているシーンも幾つか見られるから、決して良くないだろう。 先ず、のび太には驚異的な集中力がある事が分かる。それは射撃だけではない。ドラえもんの道具で、のび太が二人になっても、作業のスピードを上げても、彼はジャイアンに仕返しに行くのではない。 宿題をするのだ。更に頼まれたお使いをこなす一方、しずかちゃんの誘いにもきちんと顔を出し、手作りのケーキをきちんと平らげる。マメな男だ。 のび太がおねしょをする話が何度かあるが、恐らく心因性なのではないだろうか? 学校に行くまでに両親、特にママに早くしろと促される。 教室に行き授業が出来ないと、廊下に立たされる。水を持たされる。 考えて欲しい。少なくとも、出来ない事を笑う時間、けなす周囲、外で立たされる時間、のび太は勉強する権利を剥奪されているのだ。 どこで遅れをとったか定かではないが、のび太が真っ先に宿題を済ませる理由も納得ではないか? のび太は勝ってやり返したいのではない。先ずどうにか追いついて周囲に対して対等な関係の自分を奪還したいのだ。 のび太は男子生徒でジャイアンにモノを申せる程芯が通ってる点に於いても優れてる。 さて、そんな訳だから味方になる人間も頼もしい。しずかちゃんは何故のび太に優しくするのか?のび太がほっとけないオーラを出してると言えば言えるし、のび太が大成する可能性を見出してるのではないか? いかなる苦境にもめげずに努力を続けるが、確かに鉄棒や跳び箱が苦手だったりするが、一話完結ではあるが、のび太はドラえもんの力を借りて工夫してくる。 最後はコメディイタッチに終わるが、工夫すればどうにかなるのを心得てるのだ。 ドラえもんに道具を頼む時、のび太は極めて端的に必要な条件、理由、出来事を提示するので、ドラえもんも道具をすぐに出してあげられるのだ。勿論、時折どら焼きでつったりはするが。 まとめさせてもらうが、特別な人間になるのは基礎体力を作りこむ、と言う前提条件を除けば自分の優れてるとか欠点とか、突出してる部分を追求する事とそれを認める、活かす人間に出会う事、だけである。 様々な一個人の中にある個性たる所以は全く見落とされるどころか、画一のものさしで計って、果たしてその人間のどこがどれだけわかるかなど怪しいものだ。
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