《ホーム》

思春期の心とからだ

No.32

 

研究所  所長代行 

金子由美子  

 20012/12/14
様々な家族の中で
 
 

 長野県はもちろん、全国で生活保護を受けている世帯数が増え続けています。その背景には、「派遣切り」などで職を失った人など、失業や雇用不安といった事情があるようですが、こうした方々にも、それぞれに家庭があり子どももいることでしょう。そんな子どもたちは、元気に学校に通学できているのでしょうか。気がかりです

 私の周辺にも、生活に困っている家庭の子が少なからずいます。私は「子どもの貧困」に関する具体的な事実をできるだけ多くの大人に伝えようとしていますが、自らの体験に基づく家族像に縛られがちな大人は、さまざまな家庭の事情を想像することが難しいようなのです。

 「今どきそんな子はいないでしょ」「かなり特別なケースでは」という反応や、「それは親の責任でしょ」「そこに生まれた子の運命だから」といった声が返ってくることもあります。

 経済危機の中で広がる格差や貧困はこれからも、今の大人たちの想像を超えた事態を招くことでしょう。 

 やわらかな感性と豊かな想像力のあるみなさんには、ぜひ、次に紹介する子どもたち一人一人の顔を思い浮かべながら、一緒に生きていく仲間としてのイメージを持ってほしいのです。みんな私の周辺に実在し、けなげに生きている仲間たちです。

 保護者が母親だけ、父親だけ、祖父母という子。

 給食がなくなるため夏休み明けにげっそり痩せてしまう子。

 電気やガスが止められてしまった「家庭内ホームレス」の子。

 給食費が払えない子。修学旅行に行けない子。

 血のつながらない大人と暮らさなくてはならない子。

 親から虐待されながら、その親をかばっている子。

 両親の離婚を必死で止めようと説得している子。

 日本から強制退去させられる親と母国に帰らなければならない子。

 「ハーフだから」といじめにあっている子。

 昼も夜中もパート勤めのお母さんと会えるのは火曜日だけなので、毎週火曜日になると休む子。

 ケガをしても保険証がなくて治療費が払えない子。

 おへそが見えてしまう小さなワイシャツしか持っていない子。

 部活のユニホームが買えず部活を止めた子。

 学費が払えなくなり高校を中退した子。

 不倫している母親と帰ってこない父親のことで勉強が手につかない子。

 いつも家族の愚痴ばっかり言っている姉や、暴走族だったことを自慢する父親にイライラしている子。

 自己破産してしまったお母さんの将来を心配している子。

 キャバクラで働く姉や、引きこもりの兄のうわさを恐れている子。

 障害のある弟の車いすを押して登校してくる子。

 弟の子守をするため学校を休まなければならない子。

 おばあちゃんの介護のために秋田にいるお母さんの代わりに家事をしている子。

 おふろがないので、三`離れた銭湯に歩いて行く子。

 両親が日本語を読めないため調査票などを自分で書いている子―などなど…。

 どんな境遇の中で生きている子も、「ゆっくりと豊かに生きる権利」があり、だれもが一緒に未来をつくる仲間なのです。

 

 

  

 

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