《ホーム》

思春期の心とからだ

No.25

 

研究所  所長代行

金子由美子  

 20012/4/20
恋は焦らず、ゆっくり
 

  テレビや音楽、映画、雑誌など、さまざまなメディアを通して、私たちは、ファッショナブルな「恋愛」に関するイメージを繰り返し見たり聞いたり空想する日常で生活しています。そんな中で無意識のうちにきれいで美しい恋愛イメージを広げ、幼いころから恋人探しを始めてしまうのでしょう。

 「結婚してるの?」「プロポーズの言葉は?」「顔か性格のどっち重視?」「好きと愛してるとでは言われてうれしいのどっち?」。保健室に集まる中学生や、一緒にエイズ予防のボランティア活動をしている高校生、大学生と雑談を始めると、話題はどうしても「恋バナ」に流れます。恋愛に関して質問攻めしてくるのは女の子より男の子のほうが多く、それは、どんなに年上であろうと関係なく「女心」を探り、彼女をゲットするための参考にしたいからのようです。そんな子たちへ逆にインタビューしたり、相談役になったりすることもあり、彼らの恋愛事情にはちょっと詳しいのです。

 みなさんも感じているかもしれませんが、恋愛“初期症状”って、たとえばこんな感じじゃありませんか? 「目が合っただけでドキドキしてしまう」「勉強が手につかない」「寝ても覚めても彼(彼女)のことしか考えられない」「人の彼氏だけど、好きと言う気持ちに歯止めがかけられない」「どう思われているのか知りたい」「ダイエットをはじめた」「通販で鉄アレイを買った」「エッチを想像した」「メールを書いては消し、の繰り返し」…。

 恋に陥ってしまうと、自分をコントロールすることができなくなってしまうこともあります。また、恋愛願望があっても、だれもが関係を成立させられるとは限らず、焦りやコンプレックスを高めている子もいます。お化粧やダイエットに励んでみても、顔やスタイルがよければモテるというわけでもなく、そして、恋愛が始まれば、そこにはトラブルがつきものなのです。

 その中にはこんなこともあるでしょう。「告白したら断られ、翌日学校休んだ」「友だちと同じ子を好きだってわかって殴り合いになった」「コクった(告白した)ことをみんなにばらされ、速攻嫌いになった」「母さんに好きな子ばれた」「幼なじみだったから家族に冷やかされた」「突然メールアドレスを変えられた」「すぐエッチしたいっていう男で最悪」…。

 自己満足のためや自己肯定するための「ファッション」や「小道具」のような恋人では、誰も幸せにはなれません。相手を傷つけるだけでなく、理解し合えないまま付き合っても疲労感やむなしさが募り、自分がみじめになるだけです。趣味や考え方、社交性、生活スタイルといった、さまざまな観点で相手を見つめ、自分との違いを見つけながら適度な距離を保てるよう、大切な恋人を探すのは、焦らずにゆっくりとやりましょう。「自分らしさ」を表現できる相手に出会えるように。
 
 
 

 

 
 
 

 

 

 

 
 

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