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思春期の心とからだ

No.24

 

研究所 所長代行

金子由美子  

20012/4/15
一緒に答を探そう 
 

 私は、中学校の保健室に勤め、思春期の生徒たちの「からだ・こころ」の成長を見守り、支援しています。三年間という短い間に、生徒たちのからだは急速に成長し、また、学校生活のさまざまな場面で、泣いたり、笑ったり、怒ったり、すねたりしながら、こころも確実におとなに近づいていきます。そんな様子を見ていると、人類の明るい未来を展望することができます。

  しかし、時には思春期の子による事件がセンセーショナルに報道され、大人から「えたいの知れない時期」「キレる」などと、まるで「モンスター」のように、誤解されてしまうこともあります。わが子に手を焼く保護者から、「難しい年ごろで」と相談を受けることもあります。

  確かに、親から自立する時期を迎え、「自分らしさ」を探す思春期には、イライラしたり、焦ったり、思った通りにいかなくてがっかりすることがあります。同世代の仲間と比べて、コンプレックスを持つこともあるはずです。異性への関心も高まり、性的な欲求をコントロールすることも必要になってきます。こうした数々の課題を抱えながら、一人一人が「自分らしさ」にこだわり、絶え間なく努力し、一生懸命に人生について考えているのです。だからこそ、さまざまなストレスが発生し、不安定になってしまうのです。

 「かったるい」とか「疲れた」といって毎日のように保健室に来る子がいます。何だかよく分からないけど突然イライラし始めたり、小さなことでムキになって怒り出してしまう子もいます。毎日学校に来るのが楽しかったのに突然つまらなく思えたり、熱中していた部活動が無意味に感じたり、一日中ベッドに潜って眠りこけてしまったり…そんな自分でも理解しにくい気持ちの変化、あなたも経験がありませんか?

 こういう時、誰よりも不安なのは、当の本人ですよね。思春期になると活性化し始める男性ホルモン、女性ホルモンは、両者のバランスをうまく調整して、性的なその人「らしさ」を形成していきます。始動時期は、ホルモン量やサイクルのコントロールが難しく不安定です。

 大人のからだに変わるために、特別な指令を出している脳、神経をはじめ、体のあちこちで大きな変化が始まります。そのことで突然、疲労感や悲愴(ひそう)感が高まり「何もしたくない」「親から期待されるとつらい」「学校や部活を休みたい」と思ってしまうこともあるのです。

 思春期のストレスの特性を知らせるだけで、気持ちが安定し、いら立った言動が落ち着く人もいます。この連載では、私が保健室で見てきた心身のトラブルの事例をあげながら、具体的なアドバイスやメッセージを伝えていきたいと思います。読者のみなさんからのご意見もいただきながら、一緒に「思春期ってなんだろう」の答えを探していきましょう。

 
 
 

 

 
 
 

 

 

 

 
 

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