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青年期の性と生
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研究所客員研究員 武田雅都
2012/11/25
     不定期連続「性」年告白文 
「背徳の鑑定士」
 

 私は辛うじてVHS世代〜DVD移行期と青春を過ごしたので、旧時代のアダルトビデオについては様々な思い出があり、ことビデオに関してはまさしく初体験だったので、印象深い事この上なしだが、最近のAVは正直マンネリだし、シナリオがヒドイ。

 コスチュームは昔より本格的になったかもしれないが、前置きが無いしドラマが希薄だと思うのは気のせいだろうか?

 昔、VHSには必ずその物語のダイジェスト版が同封されていて、ものによっては実際の映像にないカットや台詞、出演してるキャラクターの心境解説も組み込まれていて、あるいはおまけでプライベート写真(時にはサイン入り)数枚がセットで、いろんな楽しみがあったし、カメラワークについてももっとリアリティがあった。

 上手い人が撮影すると(あの手のものにどれ位の細かな芝居が設定されてるかは知らないが)、フェチゾーンをワンカットずつ際どい所で移しながら女優の表情をカットインさせていく流れを取っていくし、どんなところが好きでも嫌いでも、ある一定のプレイに対してほぼ99パーセントのファンがそれなりの満足が得られるようになってるという訳だ。

 素人の投稿に見られるのが、カップルと一緒に興奮してるのか知らないが、ホットスポットを同時になぞっていってしまうとケースは実はイマイチ全体がつかみにくく、センスはイマイチとしか言えない。

 最近のはブルーレイまで行かずも、画像が洗練されたが、SEX体験や性癖を質問してから少しづついちゃついて・・・の流れがあまりにも速すぎて行為以外は目的じゃないようで、余りに動物的過ぎる。

 そうしてみると「関西ナンパシリーズ」は最後の砦か、トークの上手さを楽しみつつ、プレイもしっかりしていて、と言う“絶滅危惧種”を見るような思いすらしている。

 或いは、東北や田舎娘にスポットを当てたものもこそはゆい性への憧憬が込められていて佳作も見られたが、一番ダメなのは「耐久4時間本番」とか「女子高生400分」とかになるともう完全にアウトだ。私は長ければ良いとは思わないし、VHSは70分でも十分楽しませてくれたのに、そんなに長い必要があるのか疑問で仕方ない。

 マジックミラーなどもそうだが、最近の娘は特に恥じらいが無いので、野球拳にしろやる価値が全くない。言ってみればミロのヴィーナスを見るほうがエロティシズムがある。 素人がだらしなく全裸になってふにゃふにゃしてるのは不恰好そのものだし、着衣してプレイすることが、あらゆる付加価値を授与してることを再確認して欲しい。

 コスプレものも個人的にスポーツ女子が好きなので、何故女性が弱い、可愛らしいと言うあり様ばかりがもてはやされるのか、私のように普段強い子が不意に見せる女らしさに“ほの字”になる方も大勢いらっしゃるだろうに、世間の偏りを指摘せざるを得ない。

(つづく)

 
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