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研究員 岩淵成子

  2012.12.14

   「ビバ 2歳児」 

見立て遊びの「芽」 

 

 2歳児でも3歳に近くなれば、自分で遊びを考え出せるようになることを実感したエピソードのご紹介。

 スキーに行って民宿に泊まった夜のこと。一日相手になっていたママは相当疲れて、遊び相手は休憩とばかり雑誌などを読み出した。 まだまだ元気な孫は何とか気を引こうと、「歩かないの」とママに言われながらも、ソファーの上を動き回っていた。 

 なんとなく馬が走っているようなイメージを感じ「おんまパカパカやってんだ」と言ってやった。すると孫は反応があったことが嬉しくなったらしく、馬のような足運びでソファーの上を行ったりきたりし始めた。

 「おんまパカパカ」とそのたびに言ってやっていたら「ヒヒーン」と言って立ち止まった。パカパカだけでは物足りなくなって自分で工夫したのだ。一緒にソファーの上を駆け回るわけにはいかないから「パカパカ」とか「ヒヒーン」とか「合いの手」を入れてやっていただけだが、それでも面白かったのだろう。何度も繰り返していた。

 しかし、そのうち物足りなくなったらしく、カウンターの下にもぐりこんでこちらの様子を伺ったので「おんまさん。お家に入ったのかな?」と言ってやると、今度はそこから馬になって出てきてパカパカを始めた。動きが膨らんだのだ。

  2歳になれば「見立て遊び」ができるようになると「育児書」などには書いてある。なるほど。確かにそれまでの「まねっこ」だけではなく、自分でイメージを作りながら遊びを膨らませていかれるのだと、孫を見ながら「育児書」の意味を実感した。

 まだまだ、自分の力だけではイメージを膨らませきれないし、遊びに深く入ることも難しい。4、5歳児の本格的な「見立て遊び」には遠く及ばない。

 しかし、その「芽」は確実に出ていた。出てきた「芽」を大事に育ててやることが、2歳児を伸ばす手段でもあると思う。 

 たまたま「おんまパカパカ」だったが、これは一例であり、公園でも、砂場でも、生活の中の色々な場面で同様の事例が展開できると思う。

 「行儀」とか「世間体」とかいうことからは、多少逸脱することであっても、大きな迷惑をかけたり、器物を損壊するようなことでなければ、できるだけ子どもの目線に立って行動させてやることが「好奇心旺盛」な「自立した」子どもに育てる方法のように思う。

 

 

《つづく》

感想・ご相談

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参考図書

『ママ、パパおしえて!』 (子どもの未来社 税込/1,365円)

 

『写真集 交尾』

〔子どもの未来社 税込/ 3360円〕

『性ってなに?』(新日本出版社 税込/1,470円)

 

『せっくすのえほん』

 やまもとなおひで =かんしゅう/みずのつきこ

        (子どもの未来社  税込/1400円)

『おちんちんのえほん』

文=やまもとなおひで 

え=さとうまさこ(ポプラ社 税込/1200円)

『おちんちんの話』

文=山本直英 絵=有田論也 (子どもの未来社 税込/1470円) 

『あかちゃんはどこから』

 ローズマリー・ストーンズ作 

山本 直英訳(ポプラ社 税込/1200円)

 

『おかあさんとみる性の本

全 3 巻 山本 直英監修(童心社 税込/ 1300 円)

『ほんとうに知りたかった カラダのヒ・ミ・ツ』

山本 直英編(講談社 税込/1200 円)

 

『性の絵本』全5巻 (大月書店 税込1冊1300 円)

 

『からだっていいな』

      山本 直英著・片山 健画(童心社 税込/1339円)

『おんなのこって なあに? おとこのこって なあに?』

  ステファニー・ワックスマン著 山本直英訳

          (福音館書店 税込/1000円)