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研究員 岩淵成子

  2012.10.20

   「ビバ 2歳児」 

間接話法じゃ分からない。直接言ってはじめて分かる 

 

 

 前回の「2歳児に4歳児の対応は無理」で書いたが、今回も2歳児に合うやり方を、息子たちとの体験談を基に考えてみたい。

 

 我が家の近くにあるスーパーの屋上には、当時ミニ遊園地があった。と言っても、乗り回せる車のオモチャとか、触れる大きなぬいぐるみがある程度だったが。

 

 孫は乗り回せる車が大のお気に入りで、我が家に来るときには、必ず乗って遊んでいた。

 ある時、よそで遊んだ帰りに寄ったため、閉店時間が来てしまった。しかし、彼が飽きるほどには乗っていなかったので、まだまだ乗っていたいと頑張ってしまった。

 パパもママも「もうお店が終りだから。店員さんが扉を閉められなくて困っているから終りにしよう」と言うのだが、肝心の店員さんは「お客様に失礼だから」と思っているらしく、何も言わないでただ立っているだけだった。

 

 「ハハーン」と思った私は、店員さんに「直接本人に言ってください。親が言っても『いつもの事だからかまうもんか』と思っていて動きませんから」と言った。

 お客様に失礼だと遠慮する店員さんに「いいえ。本人のためですから、言ってやってください」とお願いした。

 それならと、店員さんは孫に「きょうはもうお店が終りですから、門を閉めさせていただきます」と言ってくれた。

 

 門の外で知らん顔して待っている我々のところに、顔中口にして泣きわめきながら孫が戻ってきた。

 「お店がおしまいだから仕方が無いね。今度また来ようね」で、一件落着。

 その後もしばらく悔しがっていたが、店員さんに言われたのだから、親に当たるわけにも行かず、自分の思い通りにならないことが「世の中」にはあることを知る機会となった。

 

 2歳児は、周りの状況を客観的に捉える力は、まだ充分育っていない年齢だから、間接的に「あの人がこうでしょう」とか「この人がこう言ってるのよ」などと言っても理解が難しい。

 しかし、自分が直接相手から言われたことは理解できる発達段階にはある。それを踏まえた対応により、双方がただ疲れるだけの「無用なギャーギャー」は避けられると思う

 

 

感想・ご相談

info@seikyoken.org

 

参考図書

『ママ、パパおしえて!』 (子どもの未来社 税込/1,365円)

 

『写真集 交尾』

〔子どもの未来社 税込/ 3360円〕

『性ってなに?』(新日本出版社 税込/1,470円)

 

『せっくすのえほん』

 やまもとなおひで =かんしゅう/みずのつきこ

        (子どもの未来社  税込/1400円)

『おちんちんのえほん』

文=やまもとなおひで 

え=さとうまさこ(ポプラ社 税込/1200円)

『おちんちんの話』

文=山本直英 絵=有田論也 (子どもの未来社 税込/1470円) 

『あかちゃんはどこから』

 ローズマリー・ストーンズ作 

山本 直英訳(ポプラ社 税込/1200円)

 

『おかあさんとみる性の本

全 3 巻 山本 直英監修(童心社 税込/ 1300 円)

『ほんとうに知りたかった カラダのヒ・ミ・ツ』

山本 直英編(講談社 税込/1200 円)

 

『性の絵本』全5巻 (大月書店 税込1冊1300 円)

 

『からだっていいな』

      山本 直英著・片山 健画(童心社 税込/1339円)

『おんなのこって なあに? おとこのこって なあに?』

  ステファニー・ワックスマン著 山本直英訳

          (福音館書店 税込/1000円)