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研究員 岩淵成子

  2012.8.28

   「ビバ 2歳児」 

2歳児に4歳児の応対は無理というもの 

 

 当たり前の話だが、2歳児は2歳児であって4歳児では無い。しかし、親はとかく2歳児に、4歳児でなければできないことをさせようとする場合がある。その結果、子どものギャーギャーを起こさせることになる。

 親の立場では、ギャーギャーの子どもが悪いと思いがちだが、真相はそうさせた親の方に責任がある場合が多い。それを考えてほしいので、息子家族と近くの公園に行ったときのエピソードをご紹介する。息子夫婦には内緒の話だが。

 

 三輪車で遊んでいた孫は、遊びに飽きたのか、三輪車はそのままにして、別の場所で遊び始めた。

 そろそろ帰る時間になり、息子と孫は三輪車を取りに行った。我々女性陣はそのまま話を続けていた。

 しばらくすると、ギャーギャー泣きわめく孫を肩にひっ担いで、息子がブーブー言いながら戻ってきた。

 息子の言い分によれば、孫の三輪車で、孫より小さいよその子が遊んでいたらしい。それで「小さい子だから貸してあげな」と言ったら、ギャーギャーの結果となったとのこと

 

 「2歳児に4歳児の応対はできないよ。戻って話してみるから戻ってご覧」と、一緒に三輪車のところに戻った。なるほど、チビさんが乗っていた。

 孫に「『僕のだから返して』と言ってごらん。そしたら返してもらえるよ」と言ってやった。孫は「ボ#のだ$ж $え☆д」と回らぬ舌でわけのわからぬ言葉を発した。しかし、こちらが先に言っているのだから、相手の親には通じている。

 チビさんは、借りたものだとの認識はできていたようで、母親に「返そうね」と言われると、三輪車を降りた。

 孫は、自分の三輪車が返ってきたので大満足。ギャーギャーはぴたりと止まった。

 

 2歳の発達段階では「▽▽だから、○○だけれど△△する」は、まだできない。それができるのは4歳くらいの発達段階になってからのこと。

 「小さい子だから、自分はつらいけれど我慢する」は、2歳の孫には無理な注文。

 しかし、自分が主張すれば、自分の要求が通るということは分かる。だから、孫に言わせた。親が「返してね」と言って返してもらうのではなく、本人が主張して要求は通るという体験が、その子の自立に繋がっていくのではないかと思ってのアドバイスだった。

 

 子どもにかかわり、子どもを伸ばしてやろうとする「良いパパ」(今ならさしづめ「イクメン」だろう)だが、発達の視点は持っていなかったと考えさせられたエピソード。

 くり返しになるが、2歳児は自己主張するだけでいっぱいいっぱいの存在なのだと考えてもらえれば、息子の失敗も生きることになるだろう。

 

 

感想・ご相談

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参考図書

『ママ、パパおしえて!』 (子どもの未来社 税込/1,365円)

 

『おとな図鑑 男の子って?女の子って?』

〔小学館ワンダーランドブックス 税込/ 840円〕

『性ってなに?』(新日本出版社 税込/1,470円)

 

『せっくすのえほん』

 やまもとなおひで =かんしゅう/みずのつきこ

        (子どもの未来社  税込/1400円)

『おちんちんのえほん』

文=やまもとなおひで 

え=さとうまさこ(ポプラ社 税込/1200円)

 

『あかちゃんはどこから』

 ローズマリー・ストーンズ作 

山本 直英訳(ポプラ社 税込/1200円)

 

『おかあさんとみる性の本

全 3 巻 山本 直英監修(童心社 税込/ 1300 円)

『ほんとうに知りたかった カラダのヒ・ミ・ツ』

山本 直英編(講談社 税込/1200 円)

 

『性はHのことじゃない』

高柳 美知子著(岩崎書店 税込/1600 円)

 

『からだっていいな』

      山本 直英著・片山 健画(童心社 税込/1339円)