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研究員 岩淵成子

  2012.7.30

   「ビバ 2歳児」 

違いが分かる男になる 

 

 

 以前、コーヒーのCMで「違いが分かる男」というのが流行った。子どもの頃に見た覚えがある方もいるだろう。「文化人」と言われている男たちが出てきて「エーっ。あの人がCMに出るの」と思ったものだった。

 

 2歳児は、まさに「違いが分かる」時なのだ。「自分は男()で、自分とは違う性の生き物がいる」という違いが分かるのが2歳。 それを証明する体験を思い出す。 

 孫が2歳のとき、子育てに行き詰っていた息子夫婦の家に手伝いに行ったときのこと。

  

 風呂から出て下着も付けぬまま髪など拭いていたら、突然洗面所の戸がスーッと開いた。

 びっくりして見ると、とっくに寝ているはずの孫が顔を出した。 私を見た孫は、開口一番「ちんちん無い」と言った。

 「そっか。それで起きていたんだ」。一瞬で状況がつかめた私は「ばあちゃん女だから、ちんちん無いよ。ショウちゃんはちんちんある?」ときいた。「うん」と孫。「パパはちんちんあるよね。ショウちゃんもちんちんあるね。ママはちんちん無い。ばあちゃんもちんちん無いよ。ちんちんあるのが男。ちんちん無いのが女」。

「なるほど」と納得したらしく、孫はスッと戻っていった。  

 真実を述べるならば「ちんちん無い」ではなく「ちんちん小さくて見るのが困難」が女だが、それはもう少し後に譲ることにした。 こちらは性教育に関わっているから「常識」だが、「ママ見せて」と言われたら、息子のつれあいは仰天するかもしれないと思ったので。

  

 彼は「違いが分かる男」になっていた。パパが自分と同じちんちんある人間で、ママはちんちん無い人間であることには気づいていたのだろう。しかし、銭湯などに行ったことが無いから、これがパパとママだけの違いなのか、もっと「普遍性」のあるものなのかが分からず、知りたかったのだろう。

  

 ばあちゃんはちんちん無いからママと一緒。僕はちんちんあるからパパと一緒。それをばあちゃんは「女」と「男」だと教えてくれた。彼は大満足で眠りに着いた。眠いのを我慢して起きていた甲斐があったと思ったことだろう。

 

 性教育に関わっていなかったら、どう答えただろう。場合によっては「なんて子だろう」と息子夫婦に説教食らわせたかもしれない。

 2歳児の疑問に正面から答えられたことが嬉しくて、今でもはっきり覚えている。

 

 

感想・ご相談

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参考図書

『ママ、パパおしえて!』 (子どもの未来社 税込/1,365円)

 

『おとな図鑑 男の子って?女の子って?』

〔小学館ワンダーランドブックス 税込/ 840円〕

『性ってなに?』(新日本出版社 税込/1,470円)

 

『せっくすのえほん』

 やまもとなおひで =かんしゅう/みずのつきこ

        (子どもの未来社  税込/1400円)

『おちんちんのえほん』

文=やまもとなおひで 

え=さとうまさこ(ポプラ社 税込/1200円)

 

『あかちゃんはどこから』

 ローズマリー・ストーンズ作 

山本 直英訳(ポプラ社 税込/1200円)

 

『おかあさんとみる性の本

全 3 巻 山本 直英監修(童心社 税込/ 1300 円)

『ほんとうに知りたかった カラダのヒ・ミ・ツ』

山本 直英編(講談社 税込/1200 円)

 

『性はHのことじゃない』

高柳 美知子著(岩崎書店 税込/1600 円)

 

『からだっていいな』

      山本 直英著・片山 健画(童心社 税込/1339円)