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研究員 岩淵成子

  2012.5.25

   「ビバ 2歳児」 

「自分でできた!」と思わせるのが第2のコツ 

 

 

 「自分で」「自分で」が始まると何でもやりたがるようになる。

お兄ちゃんやお姉ちゃんのやっていることをやりたがるのは、当たり前。これはやらせてもあまり実害は無いから何とかなる。しかし、おとなのしていることをやりたがるときには往生する。時には、大きな実害が伴う場合も多い。

 

 例えば、買い物に連れて行くと、お金を払いたがる。払わせようとすれば、時間がかかるし、失敗してお金を落としたりして、店員さんの迷惑にもなる。ついつい、無視して払ってしまったり、「後でね」などとごまかしてしまい勝ち。

 

 1回2回は何とかなるが、そうそうごまかしや無視は続かない。「払いたかったのに」と言うだけの言語力は無いから「ギャー ギャー」が始まる。なだめたりすかしたり、果ては「わからずやの子」と腹が立ったりする。なかには人目があるからと、引きずるようにして連れ去る親もいる。

 

 そんなときは、ちょっと手を添えてやれば無用の「ギャーギャー」を言わせないですむはず。本人にお金を持たせ、落とさないように手を添えて払えばいい。店員さんには本人に向かって「ありがとうございました」と言ってもらえば、更に効果的。

 自分はお金を払えるようになった。偉くなったとご機嫌で帰ってくる。

 

 お金だけではない。衣服の着脱についても、同じこと。全部を着せてしまうのではなく、袖は通しておいて、首は本人が出すとか、首だけ入れて後は本人が袖を通すとか。

 日常のさまざまな場面で、ちょっと手伝ってやりながら、手伝ったことを意識させずに「自分でできたの。偉くなったね」と褒めてやる。

 

 時には、お金を落としてしまったり、お皿をわったりと、家計にひびく「損失」の出る場合もあるだろう。しかし、それが「家宝」の皿などで無い限りは「授業料」として大目に見てやってはどうだろう。

 自立したおとなになるための「授業料」だと考えれば、高いものでは無いと思うことができるのではないか。高価なものはしまっておけばなお安心だが。

 

 人に危害を加えたり、社会的ルールの逸脱で無いことならば、未来への投資だとして、やれそうに無いことと決めつけずにやらせてあげてほしい。最後のちょっとだけを本人がするか、おとながちょっとだけ手伝ってやるかの別はあっても「自分でやった」と思わせることがポイントだから、そこは工夫次第で可能性は無限に広がる。

 

 

感想・ご相談

info@seikyoken.org

 

参考図書

『ママ、パパおしえて!』 (子どもの未来社 税込/1,365円)

 

『おとな図鑑 男の子って?女の子って?』

〔小学館ワンダーランドブックス 税込/ 840円〕

『性ってなに?』(新日本出版社 税込/1,470円)

 

『せっくすのえほん』

 やまもとなおひで =かんしゅう/みずのつきこ

        (子どもの未来社  税込/1400円)

『おちんちんのえほん』

文=やまもとなおひで 

え=さとうまさこ(ポプラ社 税込/1200円)

 

『あかちゃんはどこから』

 ローズマリー・ストーンズ作 

山本 直英訳(ポプラ社 税込/1200円)

 

『おかあさんとみる性の本

全 3 巻 山本 直英監修(童心社 税込/ 1300 円)

『ほんとうに知りたかった カラダのヒ・ミ・ツ』

山本 直英編(講談社 税込/1200 円)

 

『性はHのことじゃない』

高柳 美知子著(岩崎書店 税込/1600 円)

 

『からだっていいな』

      山本 直英著・片山 健画(童心社 税込/1339円)