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研究員 岩淵成子 |
2012.5.12 |
「ビバ 2歳児」 |
〜 「どっちにする?」が1つ目のコツ 〜 |
「自我」が芽生えた2歳児は「自己選択」をしたがる。親に言われたままをするのでは「プライド」に関わる。「私はもう赤ちゃんじゃない。お姉ちゃん(お兄ちゃん)なんだから。えらくなったんだから、自分で決めるのよ。」と言いたいのだ。 「自己選択した」と思わせてやれば、無用の「ギャーギャー」騒ぎは起さずにすむ。 自己選択など2歳児には無理と思われるかもしれない。確かに選択能力は乏しい。しかし「思わせる」ことは可能だ。 「二者択一」をすれば、それで充分「自己選択した」と思うのだから。 例えば、きょう着る服は自分で選ばせれば、出かける前の大騒動は見事回避されるはず。タンスを開けて「どれにする」などとしなくていい。着せていこうと思っている服を、2着用意して「花柄にする? 縞々にする? どっちを着たいかな?」で充分。 「私が選んだの」と大満足。誇らかにニコニコと「自分の選んだ服」を着ていくだろう。
ニンジン嫌いでも何とか食べさせたいと「身体にいいから」「大きくなるから」などと「理屈」を言って無理に押し付ければ、一騒動になる。 「理屈」は、2歳児にはまだ無理な注文。 そのときも二者択一が有効。皿の大きさや形を変えて、別物に見せての二者択一か、ニンジンの切り方や分量を変えての二者択一か。やり方は工夫次第。要は、二者択一させることで「自分が選んだ」と、思わせてしまうこと。 自分が選んだとなれば、2歳児でも我慢する。 発達段階は6歳くらいだったが、二者択一の体験が乏しかった教え子を思い出す。高3の修学旅行の間、彼の担当だった私は選択させ続けた。 「明日はこれこれをします」とは言わず「明日は、みんなとどこそこへ行く? それとも先生とそこここへ行く?」と提示し、彼に選択させた。行かせたい方を選択させるべく、理由はあれこれ付けたが、彼は自分が選択したと信じて疑わなかった。 最後は「夕ご飯は、お店か? 飛行機の中か?」の質問に、彼は「飛行機の中」を選択した。 空港で買った「すし」をひざの上にしっかり乗せて、すしがあったまるほど抱え込んでいたが、飛び立って飲み物が出るまで、自分の「意志」で我慢し続けた。 本人の「選択」だったからできたことだと、今でも機内の彼の姿が、脳裏に焼きついている。
2歳児は、我慢する力はまだ弱いから、難しい面もあるだろうが、最大の武器は「赤ちゃんみたいでおかしいね」ではないかと体験上思う。 2歳児の保育を担当したとき、歩きつかれた子が駄々をこね始めた。「赤ちゃんみたいでおかしいね」と、我々担当者が大げさな身振りで笑ってやると、彼女はむっとした顔をして「私は赤ちゃんと違う」と歩き始めた。「耳は聞こえないが、しっかり2歳児の発達はしている」と感心した記憶がある。
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