感染症(STD)を知ろう
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―まちがいだらけのエイズ知識 1―

こんなのでいいの? 根拠無き恐怖心

 
 
 

ぼくの話を聞いてください〜ある高校生の相談〜

 

ぼくには好きは人がいて、セックスはまだしていませんが、風呂から出て、顔の吹き出物を処理し、少し、血がでました。血はティッシュで拭いたのですが、もしかしたらごく少量の血が付いてしまったかもしれません。その後、顔に化粧水や薬を塗りました。次に歯ブラシをしました。そのときはもしかしたら口の粘液が付いてしまったかもしれません。その後、手をざっと洗い、タオルか何かで拭きました。その後、他人の性器を触ってしまいました。傷付くほどではなく、軽く20〜30秒くらい触ってしまいました。そのとき手は乾いていましたし、血も洗い流れ、手に付着してはいなかったと思います。

 

この場合相手はエイズに感染してしまいますか?とても心配です。

一年前くらいにもそういうことがありましたが、その人はなんともなりませんでした。

 

平気でしょうか?その人はエイズになりませんか?

 

 

 

 という相談を受けました。 

 性教育バッシング後は学校でのHIV予防教育までも敬遠する学校が増え、10代の子どもたちがHIVについて学ぶチャンスが少なくなってしまいました。

自分は絶対HIVにかからないという根拠のない自信を持つ人が増える一方、こうした訳のない恐怖心に振り回される若者も後を絶ちません。

 そこでこの若者の質問への回答をお知らせいておきましょう。

 

 エイズとあなたが言っているのはHIV( ヒト免疫不全ウイルス )のことですね。 エイズとは感染後の潜伏期を経て陥ってしまう免疫不全状態を指します。「彼女の性器をもしかしたら血か何か付いた手で触ってしまい ました」とのことですが、恋人の性器にふれるときには、 HIV に感染していなくても手にはいろいろな病原菌が付いています から、清潔にしなければなりません。清潔な手でさわる限り他の感染症も含めて病気を移す可能性は低いでしょう。でもあなたが、不潔な手で相手の性器をさわったとすれば HIV に感染していなくても、とても危険なことです。

 ぼくは一度もセックスの経験はありません。私のような人がもし、少しの血や精液がついた手で他人の性器(男女関係なし)を触っても HIV に感染する事はないのですか? 

 あなたが性交未体験なら、 HIV には感染して いません。

 

 あなたが誰かとデープキス(デープキスはセックスと同一だと思って ください)や、セックスをした経験がなければ性感染症・ HIV には感染しません。空気や握手のような簡単な接触kでは感染しませんから安心してください。

 

 今後あなたがセックスをした場合その相手が感染していれば、たった一度でクラミジアや HIV に感染する可能性があります。 愛している人となら大丈夫という思いこみは危険です。@相手が HIV 感染していない A初めからしまいまでコンドームを使用した。 などの条件をみたして初めて、安全なセックスといえます。愛情のあるなしでウイルスは宿主を選ばないからです。

 自分がセックスをしてもいないのにどうしてもエイズに感染してしまっていると思ってしまい不安でたまりません。セックスしていない人の血が性 > 器に付いても平気ですか?

 親からの遺伝や輸血などしないかぎり基本的に HIV には感染していないのですね。

 HIV は遺伝ではありません。ウイルスによっておこる免疫不全の病気です。ウイルスは粘液や血液、精液に存在しています。空気感染やかるいキス、握手、同じ食器での飲食からの感染はありません。セックスの経験がないあなたが人に感染させる心配はありません。あなた自身もセックスしていないなら100%感染していません。

 

 なんども同じ質問をしてごめんなさい。心配でぼくは勉強が手に着かないんです。HIV ウイルスは空気中を飛んできて感染したりしないですか? HIVの人の血を吸った蚊にさされて感染したりしませんか?

 空気感染や飛沫感染(人の咳や唾が飛んできて感染する)ことはありません。

蚊に刺されて感染したという報告はありません。

 

 過去には輸血によって感染することがありましたが、今はしません。 医療の進んだ日本では母子感染もしません。 HIV 感染者とキスや握手をしても大丈夫。また多少性器をさわっりあったからといって、ただちに感染もしませんよ。

 

 母子では出産時に産道を通るとき感染する可能性があり母子感染といいます。母親が感染している場合、母子感染を予防するため帝王切開で出産します。ですから、現在日本では輸血や出産時の母子感染はありません。

 

 ただ誰か身近な人が出血をした場合は素手でさわることは他の感染症に感染する危険もあり、現在では HIV 感染者でない人の血液も素手でさわらないようにすることが常識になりつつあります。