感染症(STD)を知ろう |
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丸山 俊蔵 出む いて出前性教育を行う。 |
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〈1〉性感染症の予防は可能か? 性感染症の予防にはセックスをしないか、あるいはセックスするのであれば確実にコンドームを使うしかありません。ただ、性感染症の中でも、HIV感染、性器クラミジア感染症、淋菌感染症はコンドームを使うことで感染のリスクを下げますが確実ではありません。 また、性器にクラミジア感染症や淋菌感染症、性器ヘルペスはオーラルセックスによる口腔感染で咽頭部に感染し、それが口唇を使った性行為によって再び性器に感染をします。ですからオーラルセックスのときも、コンドームあるいは薄いゴム膜で性器をおおい、直接の粘膜同士の接触は避けなければなりません。 〈2〉コンドームはどの程度、使われているか? 〈3〉なぜ、コンドームを使わないのか? 男性がコンドームを使わない理由として、面倒くさい、ムードがこわれる、手元にない、快感がそこなわれるなどをあげています。どうもこれは、コンドームを避妊のために使うものとの意識があるために、射精の直前につければよいと考えているのでしょう。でも、いったん挿入して折角ムードが高まったとき、ちょっと待てと性行為を中断して、背中を向けて薄暗いところで慌ただしく着けようとすれば面倒臭いでしょうし、ムードも壊れるでしょう。性的快感もそこなわれるでしょう。 男性はどんないかつい男でも、結構、神経質で照れ屋で、恥ずかしがり屋です。男にとって、コンドームをつけているかいないかを女性にじっと見つめられ確かめられるのが一番いやなことです。ですから、女性の方から「コンドームを使いましょう」とか「私につけさせて」とか、ちょっと一言声をかけたらどうでしょう。コンドームは男性がつけるものだからといって、男性まかせにするのでなく、女性も自分のからだを自分で護るために言い出す勇気をもちましょう。こんな話し合いができていれば、男性としてはとても気が楽になります。いまやオーラルセックスが普遍化し、セックスの中に遊び戯れの要素が入ってきています。ですから、コンドームも性行為の中の遊び戯れのプロセスに組み入れることができます。コンドームを使うのは相手を疑うというのでなく、お互いに安心するために使うもの。セックスするならコンドームを使うのを習慣にしてほしいものです。 コンドームはベッドに入ったらただちに勃起したペニスに明るいところで両手を使って堂々と二段階方式で楽しんで着ける。これがコンドームの正しい着け方です。こういう着け方をすると、ムードはそこから二人で盛り上げることができますし、コンドームを着けることで性感染症の不安、望まない妊娠の不安がなくなり、安心感が得られます。不安がなくなり安心することで、性行為に集中でき、喜びは大きくなり、性的快感はむしろ高まります。コンドームを着けると快感がそこなわれるというのは、自分自身の感覚というよりは何らかの情報によって刷りこまれた感覚ではないでしょうか。「コンドームが手元になかったら使わなかった」とも言われます。手元にないのであれば、ペニスの挿入にこだわらず、何らかの方法で射精をうながせばよい。また、いまやコンドームが容易に手に入る方法を考えてやる時期にきているかもしれません。たとえば、コンドームの自動販売機、これは数年前に一度設置された時期がありましたが、若者の健全育成にそぐわないとして撤去されてしまった経験があります。でもいまなら、設置場所を保健センター内とか大学の生協、薬局などに限定して設置することをもう一度考えてみたらどうでしょう。また、大人たちの性に関する価値観を変えることも必要です。たとえば、女子校生がコンビになどでコンドームを買うと、レジで白い目で見られるのではないかとの不安、あるいはコンドームを持っていることが学校や家で見つかると、親や教師にとがめられるのでないかの不安、こんな不安があったら、なかな性交をする前にコンドームを準備することはできません。高校生で5割近くが性交経験がある現状からすれば、コンドームを持っていることは、自分を大切にしている、相手に思いやりがある行為だと大人自身が考えてやってほしいものです。 5.
根元にあるコンドームを包皮ごと先端方向に動かして、再び巻き下ろす。 次に根元まで下ろしたコンドームを、根元にたるんでいる包皮とともにペニスの先端方向に戻します。そうすると、最初にペニスの根元にたぐりよせられていた包皮は伸ばされて、コンドームがまだ被っていない包皮があらわれます。この包皮をピーンと張った状態にして、そこに再びコンドームを巻き下ろします。つまり、包皮のしわを伸ばして、包皮の全表面にコンドームを密着させるように被せることが大事です。 |
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