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研究員 岩淵 成子 |
2012.8.15. |
「握手」は恋の始まり?! |
趣味のグループで出会った80歳くらいの男性から、熱烈なラブレターをもらって困っているとの相談を、50代半ばの女性から受けました。
彼女の話の概略は以下のようになります。 趣味のグループには最近通い始めたばかりで、彼はグループの先輩に当たり、新米の私に色々教えてくれた親切な方。終了後にお茶のみに誘われたので、断るのも悪いと思い、2度ほど同行し、帰り際には親しみを込めて「さようなら」と握手もした。 それだけの付き合いなのに、先日「あなたの胸のふくらみを思うと・・・」のような「(強烈なセックス願望を含んだ)ラブレター」としか思えない手紙をもらって仰天した。グループは止めたくはないが、彼と会うのは困るから辞めるべきか。どう対応したらいいのか。
話を聞いて、世代の違いを感じました。キーワードは「握手」にありそうな気がします。 50代の彼女にとって、さようならの握手は、ただの「ご挨拶」に過ぎません。しかし、80代の彼には、握手が「お付き合いへの了解」と受けとめられたのではないでしょうか。
「フォークダンス世代」などという言葉を聞いたこともあります。 学校でフォークダンスをすることを、戦後の男女平等教育開始の象徴のように受け取り、それを揶揄する響きのある言葉でもありました。 戦前の「男女7歳にして・・・」の世代は、異性と手をつないだり、握手したりすることは「特別の関係」になった証のように受け止める方が多いのではないでしょうか。
彼女は挨拶のつもりで握手したにもかかわらず、彼は自分に特別の好意を持ってくれたのだと誤解したのではないかと考え、彼女にそれを話すと「なるほど。分かります。確かにそういう感じはありました」と、納得してくれました。 対応は、自分の気持ちを率直に伝えればいいのではで、落ち着きました。
その後、彼女からは何も連絡がありませんので、対応が成功したのではないかと思っています。
具体的な行為が意味することを、年代という眼鏡で見ることの大事さを教わりました。
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