熟年の性を考える

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                             研究員  岩淵 成子
 

関係性を見直すきっかけとして

 性という字は「心が生きる」と書きます。身体が生きる「生」には、食事が必要であるように、心が生きるには「性」が必要だと考えます。食事が身体の健康を維持する根本的な糧であるならば、性は心の健康を維持する根本的な糧だと言っても良いでしょう。

 心を元気にする根源としての性の視点から、考えを述べてみます。自分たちの関係性はどのレベルにあるかを、考えていただくきっかけになれば嬉しいです。

 

  最も厳しいレベルの「家庭内離婚」から、満点に近い「死ぬまで離れない」レベルまでを考えたとき、自分たちはどこに属しているかをチェックしてみてください。

チェックの結果、自分たちのレベルが低い場合には、ぜひ上げるための手だてを考えていただきたいのです。繰り返し述べていますが、熟年の夫婦にとって、これからの年月は、今までの年月以上に長い場合も多いのですから。

 

  日常生活のすべてが別になっている、文字通りの「家庭内離婚」は言うまでもないことですが、形式的には夫婦の形態を取っていても、実態は「同居人」に過ぎないという状況の場合も、二人が全く心の通っていない点では、大同小異と言うべき段階です。

 この場合は「同居人」を解消するための手だてを真剣に考えないと、遠からず離婚になるか、死ぬのを待たれる現実が待っています。

 

 そこまでは行っていない。日常会話も含めて話はできる状況にある。しかし、スキンシップは全く取れていないレベルもあるでしょう。

  「今更・・・」とか「いい年こいて・・・」などと、スキンシップをとることに積極的でない方が、熟年の男性には結構居られます。仲良く生活していればいいと「友達夫婦」で満足の方も居られるようです。

 しかし、繰り返し述べているように、スキンシップは死ぬまで必要な「夫婦円満」の秘訣です。身体の芯から暖かくなり「生きていて良かった」と感じることができるのが、スキンシップの効用です。忘れてしまった気持ちを思いだしてください。騙されたと思って、肩もみ、手足のマッサージなどから始めてみてください。互いのスキンシップを楽しめる状況が作れたとき「なるほど。試して良かった」と実感されること請け合いです。

 

 私たちは手を繋いだり、腕を組んだり、抱きあったりしています。という方は、さらにそれを進めていただけたらと考えます。

ときにはゆったり抱きあったり、充分スキンシップをとったりして、二人の感情が高まれば性器を合わせたり、挿入してみたりすることにまで発展させてみてください。それによってオーガズムを得ようとか、射精にいたらねばなどとは考えず、互いの身体のぬくもりを感ずるための行為として、実行すればいいのです。それによって、互いの結びつきがさらに強くなると思います。

 

 60代になると、6割の夫婦はセックスをしていないとの統計があります。しかし、裏返せば4割の夫婦はセックスをしていることになります。我が家は4割にはいるという方も居られることでしょう。そういう幸運な方は、ますます長続きするように、互いの負担にならず、若いときとは違う喜びが得られる方法を探してみてください。二人で探求することで、もっと深い喜びと、互いの強い結びつきが得られることでしょう。

 

 以上それぞれのレベルに沿った改善方法を述べました。試してみていただき、変化についてご報告いただければ幸いです。

 

 
 

 

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