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インサート(挿入)ができないとあわてる前に |
『愛の精神医学』(批評社)に、インサートできない人の中に、「一次性障害」と言ってインサート成功の経験がない人と、「二次性障害」と言って成功経験があるが、その後失敗続きの人が居るという情報が載っていました。 「熟年の性」を読んでくださっている人のほとんどは「二次性障害」であると考えます。 そして、その原因は「身体の老化」「ストレス」「病気」「けが」などによるものだと想像されます。 病気の中でも「更年期鬱」によるものがかなりの数を占めているのではないでしょうか。「性欲減退」を含めて「勃起障害」の中には、真の原因が「鬱」によるものがかなり見られます。その時こそ、二人の関係性を見直す絶好のチャンスだととらえてください。 性欲減退や勃起不全が起きたとき、「これは大変だ。俺は男でなくなる」とあわてる前に、これを「ベストチャンス」ととらえて、二人の関係性を見直してみてください。前項で述べました「バイアグラと潤滑油の前に」がそのまま当てはまるはずです。 私の所属する「性教協」(”人間と性”教育研究協議会)の仲間である新潟県の病院に勤める看護士さんは、「脊椎損傷で勃起不全になってしまったご夫婦に『性教育』をした結果『今までよりもすばらしい夫婦関係になることができた』と感謝された」事例を話してくださいました。挿入が女性にとっては絶対的なものではないことの証明だと嬉しく聞きました。 「勃起障害」「性欲減退」は、辛いことではありますが、「ピンチはチャンス」ととらえれば、二人の関係性を見直す「天の声」を感じることができるのではないでしょうか。
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「ロストペニス」を体験していますか |
セックスカウンセリングの草分けである故奈良林先生のお話をうかがったときに聞いた言葉です。日本の男は買春でセックス経験をしているからほとんど知らないが、英語では知られている言葉だとのことです。 女性がオーガズムに達したときに、それまでしまっていた膣がゆるむ状態になることを表す言葉とのことです。しまっていた膣がゆるむことによりスポイト現象が起き、精子が子宮内に取り込まれる確率が高くなるわけです。このロストペニスは、真のオーガズムに達しないと表れない現象だそうで、売春婦がいくらオーガズムに達したように声や言葉で演技しても、膣は嘘をつけないのでロストペニスは起きないのだそうです。 真のオーガズムに達するには、セックスを本当に楽しむことが必要です。 昔、姑などが居る婚家ではなかなか子どもができない夫婦が、温泉などに二人で旅行すると子どもを授かるという話がありますが、これなどはロストペニス現象を考えると「さもありなん」と納得できることではないでしょうか。婚家ではセックスを本当に楽しむことができない嫁も、二人だけの旅行ではセックスを楽しむことができ、ロストペニス現象が起きて精子が確実に子宮内に取り込まれ、その結果として子宝に恵まれたということだと考えられます。 熟年の二人には子宝は関係ないことになるでしょうが、今まで女性が真にセックスを楽しんだ経験がない場合も考えられますから、ロストペニスを目指して関係を楽しくすることは、これからの老年期に向かう二人には必要ではないでしょうか。人生80年時代ですから、熟年の二人にはまだまだ長いセックスライフがあります。その長い時間を楽しく過ごすためにも試してみる価値があるのではないでしょうか。
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「純潔教育被害者の女」と「ポルノ情報被害者の男」 との不幸な出会いを解消するために |
我々熟年世代は、性教育を受けてこなかった世代です。 03’7.2.東京都議会での民主党土屋たかゆき議員による的はずれの恣意的質問に象徴されるように、男は「ポルノ情報」でしか教育されてきていません。そのため、「純潔教育の呪縛」から解放されていない女との間に、真の性の喜びを作りにくくなっています。その結果としての「熟年離婚」が今増加の一途をたどっていると考えられます。 「どうして俺が離婚されなくてはならないのか」ととまどい落ち込む前に、「私には離婚しかもう選択肢が無いのよ」と叫んでしまう前に、もう一度改めて考えてみませんか。 かつては「この人と生涯を共にしよう」と誓い合った二人のはずです。その時の「ラブレター」は取ってありませんか。取ってあったら、二人で読み返してみてはいかがでしょう。面はゆい文章が表れるかもしれませんが、どんな家庭を築こうとしていたのか、何を大事に生きようとしていたのかが、改めて思い起こされる場合も多いはずです。 共通の「想い」が再度構築されれば、それをもとに新たな一歩を踏み出すことが可能になるでしょう。 「そんなものはへの役にも立たない」と思われる方は、改めて「二人の契約」を結び直してみてはいかがでしょう。 この頃の若い人たちの中には「結婚は契約だから、契約をきちんと作る」という動きも出ています。我々の頃には考えられなかったことですが、考えてみればそれが当然かもしれません。親子には「血縁」という切るに切れない関係が作られますが、夫婦はどんなに愛し合っていても「契約」以外の関係性は作れないのですから。 改めて契約の結び直しをする方の参考に、私の場合をご紹介します。何となく10箇条というのが良いような気分で10にまとめましたが、これは7でも5でも13でも、二人の関係で作ればいいことだと思います。 |
1 理屈ではなく共感を持って共生していくこと 2 自己中心に話を展開せず、相手の話を良く聞くこと 3 できるだけ共通の活動をして、共通の話題作りに努めること 4 相手の仕事、趣味、関心事を尊重し、共にやれる道を探ること 5 互いの経済的自立を尊重しながらも、10万円以上の買い物については相談 すること 6 各自の特性・能力を生かし、互いに相手を助け補佐し合うこと 7 生きている限りスキンシップをとること 8 できる限り生活上の自立を図るとともに、不可能なことについては相手に任 せること 9 常に向上心を失わず、できる限り衣食住を楽しむこと 10 喫煙はしないこと |
今読み返してみても、二人の関係性を作ろうと無い知恵を絞ったことが分かります。 特に、10万円以上の買い物の相談とか、スキンシップを取ること、禁煙することなどに、当時の私の思いが込められています。 このようにして、子育てを終わっている(もしくは終わりに近づいている)二人の関係を改めて見直し、再出発をはかってみることは、いたずらに離婚を増やさないための「生活の知恵」だと思いますが、いかがでしょう。
もちろん、これを提示して互いがOKしたから万事めでたしではありません。次には、期間を区切って互いの変化を見ることが必要です。そして、「契約」に違反しているようならばそれについての話し合いを持ち、改善が見られなければ「離婚」に至るのもやむなしということになります。 これらの前提になることが、互いの思想・信条、経済的自立などにあることはいうまでもありません。 自分はよく言われている「真・善・美・聖・権・利」の何を信条としているかを改めて振り返り、相手との関係性を探らねばならないでしょう。 文中の民主党土屋たかゆき議員による…が長い期間「古賀たかゆき」と記載されていまいた。ここにお詫びと訂正をさせていただきます。 |
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