"学習会"報告

                                             2018年3月24日

最先端医療技術により自分の性をとりもどすためのリアル

講師  ダイビーノン 代表 飯田 亮瑠

 

● 飯田氏講義

● 学習会参加の子どもたちからの感想紹介

 性の多様性については、教員、保護者の学びも増加している。

 学習会に参加した子どもたちの感想として、「反対もあったんだ」がある。はるな愛、IKKOなど、男の身体で女と感じている存在は知っていたが、女の身体で男と感じている存在を知らなかった。

 会ったらフツーの人だったとの感想もあった。

 

● 言葉を正確に伝える。

 オカマは差別用語。今までの歴史の中で差別されてきた言葉だから。

 LGBTのなかでBは、自分の恋愛相手の性別は関係ない人のこと。

 セクシャルマイノリティは性的少数者で、性的指向と性自認があり、両者は違う。LGBTは違う。Tは、心の性別と身体の性別が違うことで、LGBは心と身体の性別の違いは感じていない。

 身体に違和感を持っている人は、トランスジェンダーといい、その中で病院に行く必要を感じている一部の人を、医者が診断名として「性同一性障害」という。

 トランスジェンダーの場合は、自分の性別に対する不快感、嫌悪感を持つ。反対の性別に対する強く持続的な同一感を持つ。反対の性別役割を求める場合などがある。

 

● 性別に違和感を訴える子どもへのサポート

アイデンティティ未確立のため、ゆらぎの可能性がある。そのため医者は慎重になっている。

今を大事にして、変わることも考えておくことが大事。友人の中に、小・中時代、男になりたいと言っていたが、おとなになったら結婚して子どもを持った人がいる。

 

● 自身の性自認に関わる行動

  女子トイレに入るのが恥ずかしい。男子トイレに入りたいが、入ったら笑われる。多目的トイレに虹マークがあると、自分が見られていると感じ入れない人もいる。社会がシステムを含めて変えたとしても、偏見があれば使えない。

 中学になり、セーラー服を喜ぶ女子を見て、我慢しているのではないと分かってショックを受けた。違和感への相談も、いじめや孤立化を恐れてできなかった。

 おかしい、キモイ、病気だなど、ネガティブコメントを多く受けてきた。身近なおとなからポジティブな情報を受けたかった。

 大学生になり、初めてTであることを知った。言葉の存在を知り、自分と同じ人がほかにもいることが分かって、勇気づけられた。

 生物学的性別が女型であるために、本当の自分に着ぐるみを着ている感じで苦しいのだが、わがままと見られてしまう。Tという言葉を知らなかったから、説明ができない。おとなは知っているのだから、対応が違うのではないか。

 身体を変えたいとペニスを切ったり、胸を切ってしまう子どももいる。

 性別適合手術は、心の体に身体を合わせる手術。

 

● 適合の経過

1 ホルモン療法

 注射で実施。声変わり、ヒゲが濃くなるなどの変化が身体に出て来る。とりあえず男子トイレに入れるようになる。副作用もある。

性欲が強くなるので、コントロールが大変。

心の性で見てもらえるようになるので、ストレスが無くなり、幸せな気分になれた。

2 乳房切除子宮

3 卵巣摘出手術

4 尿道延長手術

5 外性器形成手術

 命に関わるので、少しずつしかできない。自費診療のため、経済的理由もある。トータルでは450万円くらい必要になる。

(6  社会的性別) (身体的適合とは異なるが、社会生活上は重要な問題)

 個別に何がしたいかを確認する必要がある。

 戸籍を定めることは、裁判所に申し立てをすれば、特例で変更が可能になった。

 戸籍の性別は、保険証、パスポートなど身分証明に必要で、生きづらさにつながることが多い。免許証には性別表示が無い。無くても可となる場合もあることはある。

 性別変更には、親の同意書が必要。自分の父親は「金八先生」を見ていたので、なんとかクリアできた。

 自分の味方になってくれる第三者のおとながいるかどうかが大事になる。

 社会的性別については、自分らしいのはどこかを見極めるのが大事。「らしさ」に縛られている場合もある。

 性的指向は女性だったが、今後は不明。

 

● 当事者としての想い

 社会に望むことは、心の性別を最も大事にしてほしいこと。自分のセクシュアリティはどうかを考えることが大事。

 いろいろ大変だったが、なんとか生きてこられた。一番大きかったのは、人間関係。

 アウティングは慎重にすることが大事。アウティングにより、いじめられるかもと恐怖を感じることもある。

 家族、友人、先生などのなかに、一人は肯定してくれる先生がいた。その先生には、性の多様性についての知識があり、当事者の想いを聞いた経験があった。

 生殖は人間の根源的問題で、将来的には、子宮・卵巣など生殖器の再生も可能になるかもしれない。しかし、生殖だけでなく、自分を好きになってほしい、相手を理解したいという思いもある。

 メディアによるイメージがあり、きれいな男になると思っていた。男はオジさんになっていくと考えられなかった。

 ゲイの場合も、ハンサムならば認められるが、オジさんは認められない。人間の生存権とイメージは違う。

 性教育へのバッシングがあるのではと心配している。今は理解あるような社会状況だが、東京オリンピック後にLGBTへのバッシングがあるかもと心配している。

 どんな社会にするかが最終目標である。

 

● 意見交換・感想

 ・ アウティングしたことで自殺する場合もある。信頼している人が秘密をばらして、多くの人が秘密を知っていることは怖い。本人の同意がない場合はしてはいけない。

 ・ 孫の顔を見たい親を裏切るのが辛い人も多い。

 ・ 男らしさを過剰に見せる場合もある。パートナーを連れてきて、男性性を出す場合は、DVのようになることもある。喫煙などで男性性を示す場合もあるが、健康上の理由で手術が不可になる場合もある。男らしさの縛りを受けやすい。

 ・ 手術をしても、残念ながら生殖機能は難しいし、挿入はできない。