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今月のコラム
“人間と性”教育研究所所長
高柳 美知子

(2007/9/5更新)

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恋愛学習の時間 (1)

 

現在の子どもたちの恋愛模様          共同通信に連載 

  

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 児童誌『小学5年生』(小学館)で「からだとこころの相談」欄を担当してかれこれ10年。小学5年生といえば、子どもから大人へ変身真っ只中。その相談のいくつかを紹介しましょう。  

 「好きな人がいます。その人のことをかんがえると、胸がどきどきしてしまいす。このあいだも、窓からその人を見ていると、『なにしてるん?』と友達に言われてしまいました。そんなわたしってへんですか?」  

 「クラスの男の子は、胸が大きい子が好きみたいです。それで私が1番大きいので、5人くらいの人から告白されました。どうして?」  

 いかがですか。前者は、いかにもほほえましい少女の日の恋ですが、後者はちょっときががりです。私は次のように答えてみました。  

 「人を好きになることは、そんな単純なことではありません。胸が大きいだけの理由で告白などしないものよ。人間的魅力やすばらしさは、内面の美しさが表にあらわれたもの。5人の男の子から告白されたそうだけど、あなたの胸の大きいことだけがお目当てなら断ったほうがいいわよ」

 次は、男の子の相談と私の回答です。  

 「幼ななじみで、ずっと一緒に遊んでたMちゃんが、急に女の子っぽくなってきました。なんだか意識しちゃうと、いままでどおりに遊べません。ヘンかな?」

 「幼ななじみのMちゃんに対して、今までどおりに接することをためらうあなたは、『ヘン』どころか、実にういういしい感性の持ち主! 「おとなの女」に変身していく少女への少年の複雑な感情を美しく切なく描いた小説があります。

『たけくらべ』(樋口一葉)『野菊の墓』(伊藤左千夫)など。この機会に読んでみてはいかが?  

『小学5年生』の調査によると、「異性を好きになったこと」のある男の子は75%、女の子は7 1%。「周りで付き合っているカップル」は、男の子は34%、女の子は30%。自分自身が付き合っている率は5%ほど。 

 人を好きになるーたとえ、片思いであっても、人を恋することのうれしさやせつなさを身に染みてしることは、「おとな」へ向かって成長しているしるしです。